2011年9月 2日
第177通常国会を終えて
本年1月24日に召集された第177通常国会は8月31日に会期を終えました。
本通常国会では、2011年度政府予算とその関連法案をはじめ、合計90本の政府提出法案のうち72本が成立しました。また、大震災への対応施策を中心に28本の議員提出法案が成立しました。
参議院における少数与党という状況のもとで、私は、参議院議院運営委員会の民主党の筆頭理事として、議会運営と法案審議が円滑に行われるよう尽力してきました。今国会における法案審議で最大の障害となったのが、「衆参のねじれ」の中で、「特例公債法案」が人質に取られ、これが政局の駆け引きに利用されたことです。このため、大震災の復旧対策を目的とした二つの補正予算の審議も容易に進みませんでした。そして、政策決定と予算執行に緊急を要する時期に、菅総理大臣への内閣不信任案が国会に提出され、また、これが否決されたあとの菅総理の退陣条件問題が絡み、国会運営は困難を極めました。最終的には、延長国会の中で、子ども手当の見直しをはじめとする民主・自民・公明の3党合意がなされ、事態は解決の方向を見ました。この中で、衆議院の国対と連携しながら、野党側の議院運営委員会のメンバーとの間で粘り強い折衝を続け、予想された以上の法案の成立をはかることができました。
前例がないほどに様々な局面をみせた今通常国会は、「停滞する経済の立て直し」「税と社会保障の一体的改革」、「TPP推進に関わる国内問題の調整」、「沖縄の普天間基地の移設問題」、「子ども手当や高速道路無料化等マニフェストの見直し問題」など、国民的な議論と利害調整を要する重要な政策課題を与野党が真剣に議論すべき場でありました。しかし、早期解散を求める野党はこれらの政策論議をよそに、大臣の政治資金問題や大震災・原発事故への不手際のみを追及し、国民生活や経済の立て直しに関わる課題について真摯な審議姿勢を見せませんでした。
それまで、政府・与党は、被災者の救出・生活支援、被災地の復旧・復興、原発事故の速やかな収束とエネルギー政策の見直し、放射線被曝の防護、風評被害を含めた被災者補償など、補正予算や関係法案を準備し国会審議に臨んできましたが、想定を超えた緊急的事態への対応の中で生じた多くの混乱や対策の遅れに対し、多くの批判が寄せられることになりました。実際は、政府・与党として、ボランティア対策から自治体への直接支援、雇用対策、計画停電・節電策などの諸課題に全力を尽くしてきたわけですが、全体的な評価には至りませんでした。
国会としても、衆参両院に復興特別委員会が設置され、復興基本法案をはじめ、東電の原発事故被害の賠償に関わる法案、がれき処理法案、放射性廃棄物処理法案など、復旧・復興関係の各種の特別立法をすることができたことは評価できるものと思います。今後は、被災地の復興と原発事故対策で残された課題に対し与野党が協力・連携して臨んでいくべきだと考えます。
一方、6月3日には、公務員制度改革関連法案が国会に提出されました。この法案は、非現業の国家公務員の労働基本権の一部である協約締結権を付与し、人事院勧告ではなく、労働条件は労使の自律的交渉で決定しようというものです。私は、この法案の策定段階から与党プロジェクトの事務局長として関与してきました。公務員への労働基本権付与という労働組合の長年の運動課題の実現に大きな一歩を踏み出しわけであり、労働者派遣法改正案とともに、次の臨時国会で是非とも成立させたいと考えています。
このほか、次の臨時国会では、雇用の確保を含めた被災者の本格的な生活再建と被災地の復興を支援するための第三次補正予算の成立が求められます。また、復興の原動力となる国全体としての経済の活性化を一日も早く図っていかなければなりません。このままだと、我が国経済は長期停滞から抜け出せず、円高やエネルギー事情などから製造業の海外移転が進み雇用情勢が大きく悪化することが懸念されています。一刻の猶予もない状況を踏まえた政府の的確かつ迅速な対応を求めたいと思います。
政権与党としての民主党は、この2年間の政権運営の問題点を改善し、党内の挙党態勢を確立し、国民の声を真摯に受け止めた政策立案とその実行を着実にはかっていかなければなりません。私も、与えられた使命を果たすため、臨時国会において全力を尽くしていきたいと考えますので、引き続き、支援者の皆様のご指導、ご鞭撻をお願いいたします。
