2005年8月 5日
地球温暖化対策で法改正
地球温暖化対策に関し、今国会において二つの法律改正が行われました。
一つは、環境委員会で審議された「地球温暖化対策推進法の一部改正案」、もう一つは、私が所属する経済産業委員会で審議され、8月3日の参議院本会議で成立した「エネルギー使用合理化法の一部改正案」(いわゆる「省エネ法」)です。
前者は、本年2月16日に「京都議定書」が発効したことに伴い、CO2の排出削減を一段と強化していくための措置として「温室効果ガスの排出量の算出量の算定・報告・公表」制度を導入しようとするものです。
後者の法案は、産業・運輸・民生部門における温暖化ガスの排出削減に関して、エネルギーの効率的な利用という側面からさまざまな対策を強化しようとするものです。
この「省エネ法改正案」の主な改正点は、次のとおりです。
1、工場・事業所におけるエネルギー管理の強化
各工場・事業所が排出(利用)する熱と電気を合算して、これが原油換算して年間1500kl以上のところを規制の対象に拡大する。これにより、規制対象工 場は産業部門全体の約7割から約8割に広がる。各工場等に課せられる義務は、「中長期計画の策定」「定期報告」「管理者の選任」などである。
2、運輸関係における新たな規制の導入
新たに、輸送事業者と荷主を省エネ法の対象とし、温暖化ガスの排出削減が遅れている運輸部門における省エネをはかる。具体的には、低燃料車の導入、エコ・ ドライブの推進、輸送ロットの適正化、エネルギー使用量の定期報告などである。一方、メーカーなどの荷主に対しては、貨物輸送における省エネ責任者を 選任させ、鉄道や船舶利用の促進、他企業との共同輸送や積載率の向上などを促進させるとともに、年1回の計画の策定や委託輸送に関するエネルギー資料量な どの報告を義務づける。これに違反する場合は、勧告・企業名発表・命令・罰金などを課す。
3、住宅・建築物への規制強化
現行制度では、2000㎡以上の非住宅建築物については省エネ措置をとったことを所管行政庁に届け出ることになっているが、大規模改修の場合もこの届け出 義務を課すことにする。一方、一般の住宅に関しては、2000㎡以上の場合は所管行政庁への省エネ措置の届け出義務を課すことにする(現行は努力義務)。
4、省エネ情報の提供促進
電力・ガス会社等における省エネ機器の普及などについて実績を公表する。また 家電等の小売り店頭で、分かりやすい省エネ情報(年間消費電力や燃費など)を提供させる。
この法律の改正案は、社会全体におけるエネルギー資源の有効利用とCO2の排出抑制を目的する省エネルギー対策を一段と強化するものです。 製造業においては、製造工程の改良や省エネ機器・省エネシステムの導入などによりエネルギー消費の節約に大きな効果を上げてきましたが、この改正案は、こ れまで温暖化ガスの排出削減が遅れていた運輸部門や民生部門に対して強い規制をかけようとするもので、各方面から大きな期待がかけられています。 なお、参議院での審議においては、この立法理念が生かされるよう、「附帯決議」として次のとおり政府に対して3項目の注文をつけました。
①運輸部門の新たな規制については、中小事業者に過大な負担にならないよう配慮し、また輸送事業者と荷主の連携による物流効率化を支援すること。
②CO2の排出削減に優れた機器の普及に支援策を講じ、トップランナー方式の対象機器の拡大をはかる。
③地球規模での温暖化対策を進めるために、米国、中国を含め、各国が共通の枠組みで温室効果ガスの排出削減に取り組めるよう、省エネ技術の発展途上国への普及など、我が国がリーダーシップをとること。
