2005年7月22日
中国人民元が切り上げに
中国人民銀行は、7月21日に、人民元を対米ドルで2.1%引き上げるとともに、為替相場がより安定する「通貨バスケット制度」を導入しました。
人民元の適切な引き上げの必要性については、2年前から「ものづくり日本」の再生のための一つの条件として必要であるとお話してきましたし、今年6月15日の「政策レポート」でも次のように主張しています。
「中国の経済力に比べれば人民元の評価は低すぎ、多くの国が不公平感をもっている。WTO加盟国として、中国のみが自国に有利な固定相場制をとり続けるこ とは決して好ましいことではない。なるべく早い段階で中国政府自らの意思決定によって実質的な変動相場制に移行すべきだ。しかし、中国と各国間の経済的相 互依存関係が一段と強まっている中で、人民元を一挙に切り上げることは他国のとっても一概にプラスになるとは言えず、適切な時期に、適切な切り上げ幅で段 階的に実施することが肝要だ」
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この視点からすれば、今回の人民元切り上げは日本政府も表明しているように、歓迎すべきものです。切り上げ幅が小幅に止まったことにより、中国経済への影 響(輸出競争力の維持・海外からの資本流入・国内農業の保護など)はさほど大きくなく、中国で現地生産して輸出している日本企業の収益への影響も少ないと 考えられますが、日本経済にとってみれば、中国からの輸入品価格の上昇や製造業の国内回帰を促すことになり、プラスとなると考えられます。
しかし、依然として人民元は実質的に40%程度は過小評価されていると言われます。今後とも、アメリカをはじめ先進各国から、人民元のさらなる切り上げ と、完全なる変動相場制へ移行の要求が強まっていくでしょう。私たちとしても、日中の経済関係のあり方と国際社会における先進工業国の役割と責務を意識 し、中国政府のソフトランディングに軸足を置いた適切な対応を求めていくことが必要だと考えます。
