活動報告

2008年8月19日

消費者物価の上昇と政策課題について

原油や食料・原材料費の高騰により、消費者物価指数が上昇し、国民生活と産業活動に大きな影響が出始めています。国民の所得が伸びず、税や社会保険などの公的な負担も増える中での物価の上昇は、とりわけ低所得者や年金生活者、あるいは消費支出が多い子供養育家庭などを直撃し、厳しい節約生活を強いられることになります。

消費者物価の急上昇によって最も影響を受けるのが年金生活者です。これまでは、物価上昇と賃金上昇に応じて年金を自動的にスライドさせる方法が取られてきましたが、平成16年度の法改正によって、「マクロ経済スライド制」が導入されました。これは、我が国の少子高齢化が進み、年金を支える人がどんどん減少することを考慮し、一定の比率を「スライド調整率」として年金額の計算に反映させるというものです。「スライド調整率」とは、公的年金の被保険者の減少率(約0.6%)と、平均余命の伸びを考慮した一定率(約0.3%)を合計した0.9%で、暫くの間はこの数字が適用されます。物価が上昇しても、この「0.9%」分は差し引くという仕組みですが、幾つかのパターンによって適用状況が変わってきます。

このように物価上昇による影響の大きい年金や、また関連する政策視点として消費税率引き上げ、そして賃金引上げについて課題を整理しました。

→続きは政策レポートにて

<参考>過去の年金スライドの実施状況

改定月日
(平成)

消費者物価変動率

年金改定率

老齢基礎年金額(年額)

スライド調整率
(0.9%)適用状況

11年4月

0.6%

1.031%(増額)

804,200円

――

12年4月

-0.3%

据置き(特例)

804,200円

――

13年4月

-0.7%

据置き(特例)

804,200円

――

14年4月

-0.7%

据置き(特例)

804,200円

――

15年4月

-0.9%

0.991%(減額)

797,000円

――

16年4月

-0.3%

0.988%(減額)

794,500円

――

17年4月

±0.0%

1.00%

794,500円

不適用(パターン3)

18年4月

-0.3%

0.985%(減額)

792,100円

不適用(パターン3)

19年4月

0.3%

据置き

792,100円

適 用(パターン2)

20年4月

±0.0%

据置き

792,100円

不適用(パターン3)