活動報告

2010年6月23日

選挙におけるアンケート調査の対応について

 いよいよ第22回参議院選挙が、6月24日の公示日、7月11日投票の日程で始まります。

 さて、この選挙期間中、新聞や様々な団体のホームページなどで、候補者へのアンケート調査の結果が掲載されることになります。これらのアンケートは、国政に関わる様々な政策について、それぞれの候補者の見識、基本的政策、主義・主張やイデオロギーなどを明確にするような内容になっています。候補者が選挙において自らの考えや立場を明らかにし、国民の皆さんの審判を仰ぐことは当然のことです。一方で、これらのアンケートでは、必ずしも候補者の考えがより具体的かつ総合的に伝わるとは限りません。

 というのも、これらのアンケートの設問には、「イエスかノーか」で答えたり、単純化された選択肢から一つを選ぶようなものが多いからです。例えば、「あなたは憲法改正に賛成ですか、反対ですか」とか、消費税の引き上げは「①10%、②15%、③20%、④現状のまま、のどれが良いか」といったような質問です。

 国の行方に関わる重要な政策については、様々な見地に立った検討が必要であり、また条件を変えることによっても法案への賛否も変わってきます。例えば、昨年の5月に成立した「臓器移植法改正案」では、脳死の子どもの臓器移植を認めるかどうか、また本人の意志がなくても家族の同意で脳死者からの臓器移植を認めるかどうかが論点となりましたが、法案審議では、A案からD案まで4つの法案が提出され、国会では長時間にわたって大議論が展開されました。最終的にはA案が成立しましたが、このように国民世論を二分するような重要政策については、様々な視点に立ち、様々な前提条件を考慮しながら国会での審議が進められていくのです。

 また、国会議員は自らがもつ理念・思想・良心にもとづき様々な政策的判断をしますが、一方で、政党の方針にも大きく左右されることがあります。近代国家における立法過程は政党政治をベースにしていますので、国会議員は、それぞれの党内における議論経過とその結論を尊重せざるを得ません。マニフェストに見られるように、今日、政党間の政策立案競争がいっそう激化してきますと、党内の協議機関が先行して政策決定をしていく傾向が強まり、個々の国会議員が自ら判断し、党の政策決定過程に影響を与えていく範囲はますます狭まることになります。さらに、「外国人地方参政権付与」の課題や「高齢者医療制度の改革方向」など、国民的な議論が煮詰まっていない政策課題も多く残されています。

 今回、事前の候補者向けアンケートでは、「特集もの」として企画され、一定の仮説にもとづいた誘導的設問や、学問的な裏付けのない推論について回答を促すような設問もありました。これらのアンケートでは、回答する意義を見い出せないものには、敢えて回答しませんでした。しかし、数社の新聞社のアンケートについては、設問と選択肢に相当の疑問を覚えつつも、有権者の皆様への情報提供の重要性を鑑み、回答いたしました。

 したがいまして、これからマスコミで発表される候補者のアンケート結果は、候補者個人の考え方や基本的な政策理念を全て物語っているものではなく、本人が考えに最も近いもの、様々な前提条件を考慮せずに敢えて判断したものであるということを、有権者の皆様にはご理解いただきたいと思います。併せて、この発表されたアンケート結果は、国会議員になってからの活動の全てを制約するものではないということもご理解いただきたいと思います。