国会質問

第174回通常国会 予算委員会(2010年1月27日)

温室効果ガス排出抑制政策は、「エネルギー政策」の基本政策と組み合わせることが重要である

 電力でいえば、中国は日本の8倍程度CO2を余計に出しているんですよ。それが同じマーケットでフェアに競争していると言えるんですかと。これからは競争条件の再定義という中で環境基準をきちんと決めていかないと、物づくりは一番環境基準の緩いところに全部結集してしまう。こういう話も含めて本当はCOP15でやるべきだったんじゃないかと思います。

  

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  第二次補正予算案を審議した1月27日の参議院予算委員会で、会派を代表して質問に立ちました。

 冒頭、ハイチ大震災に触れ、海外での災害に対して、救援・初動体制の確立、在外公館の耐震化、周辺大使館との連携、病院船の建造、外交的視点にたった援助政策の推進などについて提言しましたが、総理大臣、外務大臣から積極的な答弁を引き出しました。

 次に、政府が国会に提出した「平成21年度第二次補正予算案」は、デフレ状況にある厳しい経済状況を打開するために、景気対策、雇用対策、環境対策、地方の活性化対策を中心に、約7兆2000億円という大規模な予算になったことを評価し、国民の期待に応えるためにも、予算案の早期成立が必要であることを強調しました。しかし、この予算が実体経済の中で大きな効果を上げるためには、長期の不況のもとで苦しんできた国民に安心感を与え、そして戦略的に予算を重点配分していくことが重要であると主張し、総理大臣や財務大臣からも、これに賛意を示す答弁が行われました。とくに雇用問題については、長期失業者や新卒者に重点を置いた対策の推進について共通の認識が為されました。

 また、温室効果ガス排出抑制政策については、エネルギーの安定供給・エネルギー価格の安定化という「エネルギー政策」の基本政策と組み合わせることが重要であること。また、このことを配慮しないと、日本の製造業が海外での生産に傾斜するのではないかとの懸念を示しましたが、経済産業大臣からも、温室効果ガスの25%削減目標については、国際的調整が前提となることが示されました。

 このほか、四国の農業・牧畜にとって大きな問題となっている産業獣医師の不足問題を取り上げました。農林水産大臣、文部科学大臣からは、獣医養成機関の教育内容の改良が必要であること、また、これまで抑制されてきた獣医学部の定員抑制についても、今後、見直すニュアンスを含んだ答弁も行われ、関係者から大きな評価を得ました。

【質問項目】

0、ハイチ大地震の対応について

1、第二次補正予算案への期待
2、国民の生活不安と政治の役割
3、国民の不安と厚労省の役割
4、長期失業者を対象とする雇用対策の課題
5、新規学卒者の就業支援策の強化
6、新卒者体験雇用事業などの進め方

7、産業獣医師の不足問題
8、新成長戦略と環境対策・エネルギー政策のあり方
9、環境コストと競争力の維持・品質管理

 ○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の加藤敏幸でございます。

 辻議員の質問に引き続き、補正予算あるいは関連する項目について質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 その前に、13日の朝、ハイチ大地震が発生をいたしました。大変厳しい状況、惨状が報道を通じて私たち目の当たりにしておりました。大変、悲惨さを受け止めながら、犠牲となられた方々には心よりお悔やみを申し上げたいと思いますし、一刻も早い負傷者、被災者の救済が必要ではないかと、このように思っております。

 そこで、これに関して少し質問させていただきますけれども、(資料提示)これが、私ども党の方で藤田参議院議員、首藤衆議院議員が現地に入りまして調査等を行ってまいりました。

 写っているのが、これがハイチの国会議事堂なんです。もうまさに議会そのものがこういう状況になり、当然といいましょうか、関連する政府施設も打撃を受けている、ダメージがある。また、我が国の大使館、在外公館におきましても痛烈な被害を受けて、今機能が止まっておると、そういうふうな状況にあります。

 続きまして、これが日本の医療チームが負傷者を治療しているという絵です。大変精力的に献身的に活動をされておるということで、本当に心から敬意を表したいと思います。是非こういう姿も私どもも目に焼き付けておきたいと、このように思います。

 これが調査団と、この方が、左から二番目におる方がプレバル大統領でございまして、一応総理のお悔やみのメッセージも含めてお伝えをし、今後の支援等について日本に対して感謝の言葉を述べられたと、こういうふうなことでございます。

 そういうことで、昨日も辻議員の方から少し質問があり、それに対する政府の当面の対応策等が披瀝をされました。そこで、この調査団の報告等を含めまして幾つか課題をここで提起をしてみたいと思います。

 一つは、緊急援助隊の初動態勢、ここのところをこれからどう確保していくかと。若干遅れがあったのではないかと、こういうふうな厳しい指摘もございますし、それらを踏まえてどうされるのか。

 加えて、日本大使館が崩壊をしたと。したがって、これは我が国としての拠点がなくなったということですから、情報収集あるいは情報発信、邦人の安否の確認、そういった機能が失われてしまった在外公館をこれをどうやって回復するのか、あるいは更なる活動をどうつくっていくのか、そういう課題もありますし、加えて、周辺国にある私どもの大使館、在外公館がどういうふうにチームワークを組んでハイチに向けて支援体制をつくっていくのか、そういう応用動作も含めていろいろと課題も見えてきたと、このように私どもは考えております。

 また、アメリカが病院船を展開し、ああ、ああいう立派な病院船があるんだなと、こういうふうに国民の多くも感じられたと思います。このような病院船というもののアイデアを今後お持ちになられるのかどうか、そういう点と、加えて、災害援助というのは人道的見地に基づいて行うと、こういうことでありますけれども、言ってみれば国際貢献の核でもあるし、また背景には外交的ないろいろな要素もあるんだと、こういうふうなことを含めて、当面の対応策と、並びに少し時間を掛けて先々を含めてどんな策を検討していくべきなのかと、この点について御答弁をいただきたいと思いますので、大臣、順番でどうぞ。

○岡田克也 外務大臣 お答えする前に、ちょっと今の委員のお話の中で現地の大使館が機能していないというお話がありましたが、それは事実誤認でありますので。

 まず、大使館が被災したことは事実であります。ですから、瞬間的にはそういうことはありました。しかし、そして、今御発言の中で邦人についてもケアができていないと受け取れるようなお話がありましたが、現地の大使館員は、自らの家がつぶれ自動車の中で寝泊まりする中で、邦人全員の安全を確認するために必死にやったということは事実でありますので、そのことは是非国民の皆さんにも分かっていただきたいというふうに思います。

 ただ、大使館員全員が被災をいたしましたので、現在は、大使は兼轄でありますから、そういう意味では直接被災はしなかったわけでありますけれども、大使以外の全員が今国外にいったん退去をし、代わりに周りの大使館から10名が入って、そしてしっかりと今活動しているということであります。その点は是非誤解を招かないようにお願いしたいというふうに思います。

 そして、確かに大使館が壊れたことによっていろいろな問題が発生したことは事実でありますので、その辺、大使館の強度の問題とかそういったことについて教訓を残したのではないかというふうに思います。

 そういうことも含めまして、今省内で、今回のことについて、私は合格点だと思いますが、しかし、80点、90点、更にやる余地がなかったのかどうか。例えば瓦れきを取り除く、そういう意味での緊急支援隊を出すべきではなかったかと。

 これは一つの判断として、ハイチが非常に遠いということもあって、なかなか出しても役割は限られたものになるであろうと、それよりは医療部隊を出すべきだと、そういう判断を行ったわけでありますけれども、しかし、かなり時間がたってからも救い出された人がいたということも事実でありますので、そこの判断は適切だったのかどうかとか様々な課題がございます。そういったことはしっかりと検証を行い、今後の糧にしたいというふうに思います。

 もう一つだけ。こういう場合に、すぐ送るべきだという声があります。それはそのとおりなんですけれども、一方で、送る緊急支援隊の安全ということも考えなければなりません。現に、この緊急支援隊法ができたときに国会決議でその旨の決議がなされているわけでもあります。現に、今送られている緊急支援隊はたしかスリランカの兵によって守られているという状況でもあったと思います。

 そういう全体の状況を判断して、やっぱり一定の安全ということも念頭に置いて進めていかないといけない。そういう面があることも御理解いただきたいと思います。

○原口一博 総務大臣 加藤委員にお答えいたします。

 私たちは世界に冠たる国際消防救助隊を持っています、ハイパーレスキュー。このハイパーレスキューは、昨年、インドネシアの地震のときには真っ先に駆け付けて、そして多くの皆さんの命を救う、こういう活動をしております。

 今回、ハイチの大地震のときも、即、私たちはその待機と、そしていつでも出動できるようにということでお願いをしたわけです。ただ、首都直下型の地震であったこと、それからPKOが展開しているような治安情勢、それから要請主義というものがございまして、私たち、消防で日々命を守り、救うという人たちからすると、大変じくじたる思いがあったというのも事実であります。

 ただ、ここのところはやはりこれからも政府の中でしっかりと議論をして、機能が失われたときでも行くことができるのか、あるいは要請がなくてもしっかりそこに人道的に救いに行くことができるのか、そういった議論を更に詰めてまいりたいというふうに思います。

○加藤敏幸 外務省が機能していないとかそういうつもりで申し上げたわけじゃございませんし、在外公館の機能の回復とその後の活動をどう確保するのかという視点で分掌を申し上げたんでありますけれども。

 それと、大地震が発生したその現地に、どういうタイミングで、どういう責任を持った人がそこに駆け付けて初動としてどういう判断をするのか、それは非常に大事だと。阪神・淡路大震災のときも、私は連合という組織におりましたけれども、その日のうちに現地に入って現地の救援隊長としてそのまま二週間おったわけですけれども、やっぱり行って、見てという、その人の判断も大切にするということも、これも加えて要請をしていきたいし、恐らくそういうようなことも検討の課題に入っているのではないかと、このように思うわけであります。

 こういう災害に対する対応策というのは与党も野党もないと、当然のことながらそういうようなことで、私どももやれることは精いっぱい応援をしていくのは当然のことでございますので頑張っていただきたいと、こういうことですけれども、総理、何かありますか。

○鳩山由紀夫 内閣総理大臣 加藤委員のお話、そのとおりだと思っておりまして、日本として初動が必要なのかどうか、日本の得意なのがあるいは復興、さらには開発、むしろそちらの方が得意だという部分もありますから、その部分に関してこれから国連PKOの派遣考えていきたいと、むしろそのことを積極的にまずはやりたいというのが一つと、それからやはり、でも初動が遅れちゃいけないという部分も確かにあると思います。

 それで、先ほど病院船の話がありました。私ども、病院船の同じ思いでこれから友愛の船というものを考えていきたいと思っておりまして、それはアメリカでもう既にパシフィック・パートナーシップで行っているわけでありますが、それに協力をするような形で、自衛隊だけではなくてNGOなどの方々、医療関係者がその中に乗り込んで、アジア太平洋に何か危機があったときにすぐに飛んでいけると、船ですから飛ぶわけではありませんが、すぐに駆け付けるようなそういうシステムを構築をして、初動態勢あるいは緊急医療というものがすぐに行えるような日本の在り方を考えていきたい、そのように思っています。

○加藤敏幸 ありがとうございました。

 次に、第二次補正予算案につきまして御質問をしたいと思います。

 年度内に次年度予算案の編成を完了されたということで、やや心配もしておったんですけれども、納期はしっかりと守られたということだと思います。

 この二次補正予算案は、本予算の審議の前に、言ってみると、現在の日本がデフレ状態にある、二番底のリスクがある、心配だと、そしてどうやってデフレから脱却をしていくのかという意味で極めて位置付けが重要だと、このように認識をしております。そういうような意味では、この予算案の早期成立と適切な執行ということが現内閣にとっても重要な仕事ではないかと、これは論をまたないところであります。

 そこで、菅大臣に、この補正予算案が持つ日本経済あるいは国民生活、この視点でどういう意義あるいは位置付け、そういうふうなものがあるのか、編成に当たられた責任大臣としての考え方を明確にお話いただきたいと思います。

○菅直人 財務大臣 御承知のように、リーマン・ショック以来、日本の経済、これは世界的にもそうですが、非常に大きな後退をいたしております。

 そういう中にあって、政権交代がなされた後にまず行ったのが、御承知のように、第一次補正の中身を見直すところから始めました。そして、その後、加えてドバイのショックもありまして、そういう状況の中から緊急な経済対策が必要だと、こういう観点に立ってこの二次補正の準備を進めたところであります。

 この緊急経済対策は、経済、特に雇用の緊急対応と、将来に向かう成長戦略への布石という二つの視点に基づくものでありまして、主に雇用、環境、景気、三つのKを主な柱といたしております。そして、これによって22年度予算との間をつなぐことによって切れ目のない経済財政運営を実現すると、このように考えたところであります。

 また、この緊急経済対策を盛り込んだ第二次補正予算においては、第一次補正の執行見合せによって捻出した財源も含めて活用をいたしているところです。

 規模等については、御承知のとおりだと思いますが、7.2兆円のこうした経済対策に充てるもの、それによって事業規模では24.4兆円の事業規模になっておりまして、GDPの引上げ効果はトータルとしては0.7%。加えて、雇用を維持し、さらには創造する、維持で80万人、創造で20万人、合わせて100万人の雇用に対する効果があると、このように見込んでいるところであります。

○加藤敏幸 そういう趣旨で案を作られて、本日、ここで提案されているわけでありますし、雇用ということに非常に大きな問題意識を持っておられる、これはまさに正しいことだと思います。

 そこで、ここに用意させていただきましたのは内閣府の調査です。政府がやっておられる調査です。これは平成元年から横軸に21年まで横に取っていまして、非常に簡単な内容ですけれども、悩みや不安があるという人と悩みや不安がないという人と、中途半端な悩みはどっちに入るんだと、そういうようなこともありますけれども、これは答えた方が自分でどちらかサイドと、こういうふうになっておるわけですけれども。皆さん、これ見てください。平成3年、ここで第一クロス、そしてここに第二クロスということで、悩みや不安があるという人たちが今日では約7割近く、そして、ないという方が3割という、これが国民のお答えなんですよね。

 だから、この十何年間、実に失われた十何年説ということもございますけれども、こういうようなことで、過去の政権がどうだこうだとかそういうようなことは言いませんけれども、今の鳩山総理が国民生活、生活が第一と、そういうことで大きな気持ちを持って本気で今政治をされておるということでありますけれども、現状はこうだということは非常に大切であります。

 そういう意味で、一人一人の立場に立った政策づくりをすると、国民の皆さん方の不安や悩みを持っているということについて、総理として、当然政治家として、この状況に対して自分はこういうことでこういうようなことをしたいんだと、まさにそこの経綸を語っていただくというんでしょうか、そこの思いも含めてまず冒頭お話を聞きたいと思います。

○鳩山由紀夫 内閣総理大臣 国民の皆さんのお暮らしあるいは意識がまさに極めて悩みの多い毎日を暮らしておられる方向に変わってしまっているということは、大変政府にとって重大な問題だと認識しなければいけないと思います。そして、それがまさに新しい政権の出発点の考え方にしなきゃいかぬと、そのようにも思っております。

 この悩みというのは、今の悩みとそれから将来に対する不安という意味での悩みというものがあろうかと思います。

 今の悩みということを考えれば、おれたち、私たち、あした仕事あるんだろうか、首切られるんじゃないかという雇用の不安だと思います。こういった雇用不安が一番多いという意味では、私たち、この補正予算などでも雇用調整助成金の拡充などを含めて雇用対策、できる限り万全を期したいと、そのように考えております。それだけではないと。あらゆる施策を用いて雇用問題の解決に努力していきたいと思っております。

 もう一つは、将来に対する不安、あしたはどうなるんだろう、10年後、20年後どうなるんだろうという問題があろうかと思います。その一番のこれは大きな問題は、年金の問題があったと思っております。この将来に対する不安の年金の不安、それから医療、介護、こういったことに対して、自分のお父さん、お母さん、将来大丈夫かと、そういう思いも大変強くあるかと思っております。

 この問題は、診療報酬も大変久しぶりにプラス改定をするということを決意したわけでありますし、年金の問題も長妻大臣が中心となって努力を開始していただいておるところでございまして、将来の不安、社会保障の不安というものを極力なくすようにするために、我々、命の予算というものを作り上げていきたい、そのような覚悟でございます。

○加藤敏幸 今総理から、こういうトレンドの中で御自身の政治的な役割をどう位置付けるかという思いと、少し踏み込んでいただきまして各政策の項目についてお話を伺いました。

 そこで、実は総理がお答えになった後段の部分というのが、この調査で、悩みがあるかないかだけじゃなくて、その悩みや不安の内容はどうなっているんですかという設問があるんです。これを見ていただきますと、老後の生活設計については54.9%の方、これはマルチアンサーだと思いますので重複しますけれども。自分の健康が49.2%。収入、資産、これは今後についてですね、43.9%。

 以下、こういうふうな内容であり、この項目をずっと見てみて、アンケートとしてこういう項目がどうなのかなというようなことはおいておきまして、まさに本当に透けて見えるというのが、1億2700万人の国民を、皆様方をこういう形で、なるほどまさにこういう不安感を持っておるというのが今日なんだと。今総理が年金の問題だとか医療だとか、言われたこと自身、政治状況としては、その問題についてすべての政治家が、こうすべきだ、ああすべきだ、そうだという、言ってみたら今から始まる未来という、明日あさって、来年、そのことに対してどうしていったらいいのかということを語るべき時期が今だと思うわけです。だから、それが一番この補正予算という議論の場で国民の皆さん方にメッセージとして出すべきというのは、皆さん方こういう御心配があるんですね、悩み、不安があるんですね、だから新政府としては個々一つ一つについて、これについてはこうですよ、これはこうですよ、これは少し時間が掛かりますよというような形で明確にメッセージを出していただくことが、逆に言うとみんなの元気が出てくると、こういうことではないかと思います。このことについては今お話しいただいたのでそれで回答があったというふうに思いますけれども、あえて何かあれば一言。

○鳩山由紀夫 内閣総理大臣 今、まさにこのグラフを拝見させていただいて国民の皆さんの悩みの深さを感じたところでございます。

 それだからこそ、未来に対する生活設計、これは年金の問題だなと、自分あるいは家族の健康、医療、介護の問題だなと、今後の収入、資産の見通しとかあるいは現在の収入や資産、雇用問題、経済問題、先ほど私がちょうど指摘を申し上げた問題が大変大きな国民の皆さんのテーマになっている、悩みになっていると。そのことに対して、私どもとすれば、実直に一つ一つ真心を込めた政策というものを国民と一緒に、語りかけながら解決策を見出していくと、そのことが大事だと思っておりまして、加藤委員の御指摘のとおりだと、そのように感じました。

○加藤敏幸 そこで、このアンケートの続きが政治に対する要望、こういう現状を踏まえて政治に対する要望は何ですかといったら、ベスト5が、1位が医療・年金等の社会保障の構造問題、2位が景気対策、3位が高齢社会対策、4位が雇用・労働問題対策、5位が物価対策と、こんなふうに並んでいるわけであります。

 そこで、国民が、じゃ、こういうことを早くしてほしいんだと、これは政治の仕事でしょうと、こう言っているこの項目は、ざっと見ると厚生労働省にかかわるマターが多いですよねと。

 そこで、そうなると、特に老後の生活、将来の生活ということになると年金問題も出てくると言われますので、長妻厚生労働大臣、ミスター年金と言われて本当に御活躍をされておりますが、そこで、そういう制度改革、社会保障制度にかかわる制度改革のメニューなりタイムスケジュールということを今日時点で、やっぱりこういうふうに、まだざっくりとしているけれどもやっぱりこういう方向でやっていきたいんだと、そういうようなことも国民にある程度形をうっすらとでも見ていただくということも必要なのではないかと、こんなふうに思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○長妻昭 厚生労働大臣 今のアンケート調査ですけれども、ほかの各種アンケートでもやはり老後の不安というのが非常に大きい。これは結果的に消費等、経済にもいい影響は及ぼしてこないということで、やはり最大の問題は少子高齢化、先進国でも最も進んだこの少子高齢化社会をどうビジョンを描いて、それを逆に成長に結び付けていくのか。

 世界で、日本が少子高齢化の年金、医療、介護、あるべきモデルをつくって世界の模範となると、こういうような今気概で取り組んでいるところでありまして、そして平成22年度予算においては子ども手当を創設すると。これは、子供の育ちを社会全体で見る。これは、高齢化社会、支え手が今少なくなっているということを解消する一つの着眼点。

 そして、雇用についても、例えば今回でいえば雇用調整助成金の大幅増額。あるいは医療でいえば、これまで小泉改革ということで、毎年毎年2200億円、社会保障費を機械的に削減していくということで、医療もう本当に冷え込んだわけですね。それについて、10年ぶりに診療報酬をネットでプラスを改定するということを申し上げました。

 そして今、年金、医療、介護、御指摘がありまして、年金については、この消えた年金問題については2年間集中的に対応していく。そして、平成25年に新たな年金制度を創設するための法律を成立をさせるべく国民的議論を進めていく。そして、医療保険については、後期高齢者医療制度をこれは廃止をして、新たな高齢者のための医療制度を一期4年の中で創設をする。

 そして、介護については、介護の今度は平成24年度から新たな三か年計画というのが始まりますので、その第五期の計画の今立案ということで、つまりこれから2年後には診療報酬の改定と同時に介護報酬の改定がちょうど同じ時期に重なるということで、介護と医療の一体的な改革ということで、何しろ安心を感じていただくということは経済にとってもいいことでありますし、この社会保障を立て直すということは雇用も非常に大きく生み出す。介護、医療というのは本当に人手産業でございますので、そういうような少子高齢化の模範となるような社会制度を打ち立てていきたいというふうに考えております。

○加藤敏幸 質問者がこれから先のことを語ってほしいと、こう質問していますから、今、そういうふうにこれからはこうしたいということを大臣として堂々とお答えいただくのは、質問者の趣旨からいったら合致をしているということであります。

 当然、政策、制度は過去の制度とのジャンクション、継ぎ目をどうするかというのは、物すごく難しい問題なんです。制度改革というのは、年金制度にしても何にしても、これは当然、新幹線が走りながら改造できるのかというぐらいに非常に難しいことがあるわけです。

 そういうようなことについて、過去、与党、野党も、与党、野党の立場を変えて、それは問わずに、年金制度について言えば、国民が安心、納得できるようなことを超党派でも考えようではないかと、そういうふうな提案をたくさん受けてきたけれども、まあ立場が変わったらいろいろと発言が変わってくるということも分かりますけれども、私は参議院という立場で、参議院だという立場で、この問題についてはやっぱり本当の意味でこの国の将来がかかわる年金制度ということですから、今の内閣は団結をして、自信を持って、やっぱり国民の皆様方にちゃんとした、これだということを提起してほしいということを提起いたしまして、頑張っていただくということであります。

 さて、次の質問ですけれども、パネルを出してください。

 雇用問題です。これ雇用問題ということで、今まではいろいろ、完全失業者数の問題がこんなふうに出てきましたけれども、361万人と、こういう数字になっておりますけれども、ただ、この361万人の内訳を見ていただきますと、3か月未満で言わば就職をする方、6か月未満で就職される方、合わせて55%と。それで、一番の問題は、2年以上そして1年以上、これを合わせて27%、約95万人の方がいわゆる1年以上就職ができないという、つまり長期失業状態に入っていかれるということなんです。

 そこで、失業対策の問題も、バスケットでばっと言うんじゃなくて、そのバスケットの中身が、短期である程度解決できるという人たちと、1年以上、2年という長期化してくる失業者と、これは分けて対策は考えるべきではないのでしょうかという主張でございます。特に1年以上就職先が見付からないと、こう言われている方々は、会社倒産、事務所閉鎖、人員整理、勧奨退職、事業不振や先行き不安という事由で辞職した人たちが多いということで、まじめに一生懸命働いて頑張っているけれどもなかなか次の就職が都合が付かないと、こういうふうな方々がおられるということでございました。

 ここのところについてのセグメンテーションをした雇用対策というものについて厚生労働省はどうお考えなのかということと、もう一つ、ヨーロッパ等では、また我が国も過去、完全失業率の目標を2%以内とした時代が長らく続いたんです。ただし、今はそうではございませんけれども、もし仙谷国家戦略大臣、ありましたら、こういう失業率が国の努力目標としてどのぐらいを考えておられるのか、この二点について質問をいたします。

○長妻昭 厚生労働大臣 今御指摘をいただきましたように、1年を超える長期失業者の方々が大変増えていると。これはもう当然、成長戦略でパイを大きくするというのが基本的な発想、実行しなければならない点でありますけれども、じゃ、具体的に1年以上の長期失業者の方々にどう対応するのかということで、我々として、今年度から長期失業者支援事業というのを開始をして、さらに来年度拡充をしていこうと。

 これは実はイギリスを一つのモデルにした長期失業者の方のサポートのプランでありまして、つまり厚生労働省が民間の企業に委託をすると。そして、その民間の企業は失業者の方々を、長期失業者、1年以上の方々をコンサルタントすると。そして、マンツーマンでコンサルタントをして、その方々が就職をすると、ある意味では成功報酬というような形でそのコンサルタントの会社に国からお金が支出をされ、そしてさらに、その方が六か月以上その会社に、すぐ辞められるんじゃなくて定着をした場合、成功報酬という形でお支払をすると、こういうような形を取ることによって、実は私も先日、長期のこの支援策によって就職を成功した方、何人かとお会いしました。

 そうすると、週1、2回コンサルタントとマンツーマンで相談をして、あなたの適性は実はあなたが考えている適性じゃなくて、志望業種、希望する業種をちょっと転換した方がいいんじゃないでしょうか、あるいは面接の仕方もこういうふうなアピール点を、あるいは履歴書もこの点を書いたらいいんじゃないでしょうかということで、マンツーマンできめ細かく支援をして就職に結び付いておられる方もいらっしゃるということで、是非、1万人の枠を来年度この点で予算で作る予定でありますので、ハローワークに御関心あるいは当てはまると思う方は、1年以上の長期失業者の方は、是非ハローワークにお問い合わせをいただいて、このプランを御利用いただければかなり効果が出るというふうに考えているところであります。

○仙谷由人 国家戦略担当大臣 数字をお示しいただいて、失業者の数、それから継続する長期間の失業問題という問題提起があったわけでありますが、昨年11月の完全失業率は5.2%、それから失業者数が331万人という数字は出ておるんでありますが、私も大変気になっておりますのは、雇用調整助成金の対象者の数が11月段階でもまだ185万人いらっしゃいます。このある種の、こういう言い方したらなんですけれども、社内的にちょっと過剰部分というふうに経済学的に思われる部分があって、なおかつ失業者数が330万あってという状態というのは、ちょっと深刻に考えておいた方がいいんだろうというふうに思っています。そこで、新成長戦略では、中期的に3%台の失業率を達成することを目標として設定したということでございます。

 ずっとこの10年、20年考えてみますと、どうもやはり自民党政権がと、もう言うのを、余り言ってもしようがありませんから言わないようにしようと思いますが、少なくともこの10年、15年の日本では、いわゆる積極的労働市場政策というふうなものがほとんど取られてこないと。特に労働市場のマーケットニーズといいましょうか、ニーズに対応した職業再訓練や再教育や、それから今、長妻大臣がおっしゃったキャリアコーディネーター、つまりマッチング作業をすること自身を職業化するという目的意識的な政策が実行されなかったというふうに私は総括した方がいいんだろうなと、考えた方がいいんだろうなと。

 その反省から、産業構造等が転換をして、したがって就労構造も当然のごとく見通した上で職業教育、職業訓練というのがなされなければならない。あるいは、もっと言えば学校教育自身もそういう観点から見直しが必要だと私は思っておるんでありますが、どうもそこのところが、縦割りゆえか何のゆえか知りませんが、非常に日本の場合、柔軟性も欠けておるし、それから方向性、つまり半歩先の方向性を見て政策が実行されるということはなかったと。ここをやはり戦略的な課題として、人づくり戦略といいましょうか、一人一人の、これから労働現場に出る人も現在出ている人も含めて、スキルの変更とかあるいはスキルのアップというふうなことを、これはやはり少々国の政策として積極的に考えていくと。

 そして、もっと重要なことは、中央集権的ではなくて地域的に、地域の経済界の人、あるいは労働組合、それから教育の世界で働いていらっしゃる方含めて、何か地域でそういうことが考えられて、地域の労働力のニーズがちゃんと設定されてそこに対応できる労働力がマッチングされるという、こういう何か仕組みを必死になって今から急いでつくらなければいけないんではないかと、そういうふうに思っているところでございまして、戦略室、戦略局で音頭を取って、省庁間の、つまり縦割りではできないことをちょっと議論をし、早急に施策をつくりたいなと思っております。

○加藤敏幸 そういう方向で本当にやっていっていただきたい、私どもも大いに協力をしたいと、このように思います。

 さて、新規学卒者に対する就業支援についてお聞きをいたします。

 新卒の内定状況が惨たんたるものである、もうこれは大変なことでありますので、その点について厚労大臣にお伺いをしたいと思います。

○長妻昭 厚生労働大臣 御存じのように、新卒者の方々、特に大卒の方の内定率が、本当に残念なことですが史上最悪になったということで、あの就職氷河期よりも内定率が低い。当然、高卒の方も大変内定率が低いということでございますけれども、私どもといたしましては、新卒者の方々に特化をした支援というのを考えておりまして、例えばハローワークに......(発言する者あり)

○簗瀬進委員長 御静粛に、御静粛にお願い申し上げます。

 不規則発言の応酬はおやめください。御静粛に。

○長妻昭 厚生労働大臣 例えば、ハローワークに新卒者向けだけのジョブサポーターという、高卒の新卒者あるいは大卒の新卒者向けのジョブサポーターという方を倍増して928人配備をして、就職先、企業に訪問したりして開拓をしていくというようなサポート。あるいは新規の事業として新卒者体験雇用事業ということで、新卒者の方を体験的に雇っていただくとその企業に助成を出すということ。あるいは、今年3月末までに厚生労働省が自治体等と組んで全国で150回就職面接会を開催をしようというふうに考えているところでありまして、一番大きな新卒者向けの合同就職説明会は、来月2月16日火曜日の13時半から16時半まで、新宿NSイベントホールというところで、厚生労働省と東京都が主催して、150社を集めて、新卒の方、これは特に大卒者、大学院の方中心でございますけれども、高卒の方はハローワークと学校が組んでこれはまた別途やっておりますので、大卒者向けで2月16日開催をするということで万全の対応を取っていきたいというふうに考えているところであります。

○加藤敏幸 いろいろと工夫をしながら更にやっていただきたい、若い方の夢を大切にしなきゃならないんだと、こんなふうに思います。

 当然、企業の協力体制はこれは必要ですから、企業の方の協力体制はどう要請をしていくのか。

 昨日、連合と経団連が共同声明を出しておりまして、中身、企業は通年採用も含め、極力多くの新卒者の採用に努めると、こういうふうなことも昨日ありますけれども、直嶋経産大臣、よろしくお願いします。

○直嶋正行 経済産業大臣 今全体的には長妻大臣の方から御答弁あったとおりなんですが、特に対企業に対して、昨年来、私も、経済四団体始め、あるいは各業界の皆さんとお目にかかるとき、必ず内定、採用してくださいと。特に、大企業はかなり人材も確保できるわけですが、とりわけ中小企業を中心にして中堅中小企業のところでは、まだ人材は欲しいんだけれどもなかなか採れないと、こういう実態もございますので、それぞれの企業の取引関係も含めて内定者を確保できるように、いわゆるロストジェネレーションを再び社会に出すことがないように企業経営者としても努力していただきたいというお願いをしています。

 それからもう一点は、今申し上げたように、採用意欲のある中小中堅企業に対しては情報を集めまして、ちょっと今これ、経産省のホームページにこういうアップしているんですけれども、1443社の会社案内みたいなものを作成しまして、これはもう昨年末から各大学等にも配付をさせていただいていまして、このマッチングを今後進めていきたいと思っています。

 ちなみに、昨年も同様のことをやったんですが、昨年7月まで続けたんですが、その間で約7千名、中途採用は2千名ですが、5千名のその他の採用という実績もございまして、今年は更にこの努力を続けていきたいというふうに思っております。

○加藤敏幸 ありがとうございました。

 ちょっと質問通告の順番を変えまして、獣医師の問題について少しお伺いをしたいと思います。

 お医者さんの数については対策の中で増員を図ると、こんなふうになっておりますけれども、実は、動物のお医者さんの方の数については、長い間定員増が図られていないということと同時に、今獣医師の就業別分野ということでここにお示ししていますけれども、職員、公務員さん関係、民間団体、これは薬の開発に携わっております、それから病院と、こんな形になっておるのが現状です。

 次に、この産業動物獣医師、大型の動物ですよね、これの地域分布ということで見ていただきますと、さすが北海道、九州というのは産業に対応してこうなっています。東北15%、関東17%、そして、ちょうど中部、西部辺りにですが、非常に少ないということで偏在がある。この偏在は歴史的に形成されたものでありますけれども、しかし、最近、鳥インフルエンザの問題でありますとか、家畜にかかわる安全の問題でありますとか、あるいはセラピー、ペットの問題、いろいろ状況含めてこの産業獣医師の不足問題というのが世の中に浮上しておるということでございますので、私の出身の四国も少ないと、こういうことでありますので、まず農林水産大臣にその状況を御回答いただき、獣医師を養成する大学の所管は文部科学省でございますので、大臣の方で御答弁なり考えがあれば述べていただきたいと思います。

○赤松広隆 農林水産大臣 お答えを申し上げます。

 議員御指摘のように、安全な畜産物の安定供給を確保するためには、今御指摘の産業動物獣医師や、都道府県あるいは市町村に所属をして公務員獣医師として種々の検査をするこうした方たちが重要でございます。

 にもかかわらず、残念ながら、10年前と今を比べてみましても、産業動物獣医師でたしか約11%減、公務員獣医師で4%減。一方、ペットブームもございまして、反対に小動物、猫や犬とかですね、そういう小動物を診る獣医師さんたちは50数%、約1.5倍ぐらいに10年前と比べて増えているということでございます。

 その意味で、平成18年に開催をいたしました獣医師の需給に関する検討会におきましても、こうした傾向は今後も続き、産業動物獣医師はますます不足をしていく見通しだということが出ております。

 その上で、こうした状況は、先ほど申し上げましたように、畜産物の安定供給、安全な畜産物の確保ということからいえば正しい姿ではございませんので、現在、農林水産省といたしましては、修学資金の給付月10万円、それから20年度からは実習研修だとか、あるいは卒後研修への支援も行っておりますけれども、今年度更にその援助の拡充を図ってまいりたいというふうに思っております。

 また、委員御指摘のように、獣医関係学部の設置や定員の在り方については文部科学省が担当でございますので、こういう今の状況、実態を文科省の方にもお話をさせていただきまして、是非計画的な養成についての特段の配慮を文部科学省としてもしていただけるように、今、川端文部科学大臣にもお願いをしておるところでございます。

○川端達夫 文部科学大臣 お答えいたします。

 今もお話ありましたように、産業動物獣医、それからいわゆる公的な機関にお勤めになる獣医の数が不足しているということは現実でございます。平成19年5月の農林水産省の報告書において、活動分野や地域の偏在是正の取組を強化すべきということが出ておりまして、これを受けまして文部科学省では、学生がいわゆる産業動物医の分野に非常に関心を持って勉強していただくということも含めて、教育内容の改善充実に取り組みまして、平成20年12月に獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議ということで、中身の充実等の検討を加えているところでもございます。

 また、これもお話がありましたように、定員に関しましては、今までの農林水産省の調査結果を基に定員増に関しては昭和59年以降抑制をしてきた経過はございます。こういう状況ではございますが、先般、閣議決定をされました新成長戦略の基本戦略の中で、ライフイノベーションによる健康大国戦略が盛り込まれました。そして、その中身が検討を今進められているわけですが、こういう観点から見ますと、獣医師の皆さんは、感染症の予防、診断、医薬品の開発、食の安全性の確保等に重要な役割を担っていただくことになるというふうに期待をしておりますので、獣医師養成の在り方についても健康大国戦略の検討の中で新たな視点から対応を検討してまいりたいというふうに思いますし、いろんな見地からまた御指導をいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

○加藤敏幸 ありがとうございました。

 四国出身者としても、なるほどと、そういう答弁をいただいたということで、ありがとうございました。

 さて、この補正予算の中で一番お聞きしたいのは、ないないないと言われていた成長戦略についてどう考えていくかということを国民の皆さんの前で明らかにもしていきたいということでございます。

 その前に、日本の一人当たりGDPがここ15年間長期低落傾向にある。何で日本の一人当たりGDPがこんなにだらだら下がっていかにゃいかんのか、グラフを見たらだれしもそう思うわけであります。なぜそうなったのかということと同時に、一人当たりのGDPというもののやっぱり発展を図らなければ国全体が豊かにはならない、国民一人一人は豊かにはならないということでございまして、ここのところを踏まえて、新成長戦略なり経済の運営を含めて、私はまず菅大臣にお話をいただきたいと思います。

○菅直人 財務大臣 この新成長戦略について、発表したのは12月の30日なんですけれども、若干の経緯を言いますと、内閣が成立した9月の16日から最初にスタートをしたのが緊急雇用対策本部で、10月の23日に緊急雇用対策を発表いたしました。

 そういう中で、私も過去の政権が出していた幾つかの成長戦略などを精査をするように指示をし、私なりにも見てまいりました。私はあえて一言で言えば、過去の経済成長戦略たくさんありますけれども、文章としては大変立派なものが多かったです、率直に申し上げて。しかし、何年かたったときにそれが実行されたかというと、結果においてはそれが実行されなかった、あるいは目標をほとんど達成されていない。そこの原因をしっかりと把握しなければ同じ轍を踏むと。確かに文章はしっかりしているけれども、何年かたってみたら何もできていないという、そういう自民党の政策の轍を踏むことになると思いました。

 そこで、この新成長戦略の最初のところに何を書いたかといいますと、新需要創造のリーダーシップ宣言、つまりは、なぜできなかったかというと、政治的なリーダーシップがなかったからできなかったんです。

 例えば、縦割りの官僚組織の利害を超えた政策を幾ら書いても、それを実行できなかった。更に言えば、これは我々の中でもありますけれども、ついつい自分たちの近い団体とか近い地域について、ここにも橋を、ここにも高速道路を、ここにも新幹線を、ここにも飛行場をと。その結果、よく前原大臣が言われているように、気が付いてみたら97、98の飛行場があって、ハブ空港と呼ばれるものは一つもない。こんなことになったのは、決して私たちに全く責任がないとは言いませんけれども、しかし、長年政権を持っていた自公政権に大きな責任があったことは間違いがないわけであります。

 そういった意味で、私は、今回の政権交代の意味は、国民の皆さんが、やっぱりどこかで変えないことにはこの低迷している経済を立て直すことはできない、政治を変えなければ経済を立て直すことはできないというその危機感が今回の政権交代の私は大きなエネルギーになったと、このように思っているところであります。

 そういった意味で、内容についてはまた必要があれば申し上げますけれども、最も大きな問題は、例えば舛添さんもいろんなことを過去に言っておられます、あるいはいろんな自民党の人も過去に言っておられますが、できなかった原因をしっかり押さえて、それを政治主導で超えていくこと、そのことが私はこの新経済成長戦略が政治的な意味でのメッセージでなければならないとしたその考え方だということを冒頭申し上げておきたいと思います。

○原口一博 総務大臣 もう菅財務大臣がお話をしたとおりですけれども、私の方から少し付け足して御答弁をさせていただきます。

 世界経済を見ていると、GDPの伸びを押し上げるそのほとんどの要因はICT、情報通信技術であります。それは、今まではICT、情報通信分野というその単独の分野が伸びていたという感じですけれども、今はそうではなくて、ICTと運輸、ICTと医療、ICTと農業、こういう形になっているわけであります。

 私たちが、私の立場で目指した新成長戦略は三つあります。一つは、まさに明治5年に私たちの先輩が学制改革をなさいました。そして一気に日本の教育を変える、そして生産性を上げる。私たちはICTを使って国民の生産性を一気に上げたいと、こういうことを考えているわけであります。

 もう一つは、緑の分権改革であります。一つ一つの地域にたくさんの資源が眠っています。この資源をしっかりと引き出すこと、これをやらせていただきたいと考えています。

 三つ目は、地域主権改革です。私は、ICTについて言っても、世界のダイナミズムの中で日本が取り残されている部分があると思います。この間、インドに行きました。インドに行ってみて、携帯電話だけで月に1700万台も増えているわけです。そういう世界のダイナミズムの中でしっかりと日本の発展を支えていきたいと、こう考えて光の道構想というものを出させていただいているところでございます。

 一緒に前進をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○加藤敏幸 そういうふうな具体的なことをやっていただきたいと思うんです。

 今、介護ロボット展をやっているんです。その介護ロボット展の中で提示されている器具が非常に新しい新成長産業をつくり出し、一人一人の国民の生産性を更に強化をし、ついては一人当たりGDPの伸びる一つのベースをつくっていくと。

 これは、非常に壮大な視点に立った経済の大きなビジョンを今つくらなければならないということで今議論をしているところですから、それはすぐ紙が出るか分かりませんよ。だらだらだらだら試案ばかり出してもしようがない。しかし、今の話を受け止めていただいて、いろいろな形ですべての産業に参加する人たちの元気が出る、我が「ものづくり日本」と、これをみんながわっと支えていくというのが政治の力であり、今の新政権の仕事なんだと、こういう思いで質問に立ったんです。

エネルギー政策で昨日、辻議員から、全くそのとおりだと、大きな目標、しかし、現場はしっかりみんなが納得できる形でエネルギー政策をやっていくということで、最後の時間を使いまして直嶋経産大臣に、申し訳ございませんけれども、エネルギー政策と環境政策はまさに一体のものである、それから、物づくりというものはエネルギーコストがどうなるか、それがベースなんですよ。

 もっと言うと、これ、外国で作られたこのコップと、こっちから、これ日本で作ったコップ、価格もクオリティー、品質も全く一緒だということで、マーケットでこれ勝負しているわけでしょう。そのときに問いたいのは、日本で作ったこのコップにCO2どれだけ出したんですか、いやいや、これ外国から入ったやつはCO2どれだけ出して作ったんですか。電力でいえば、中国は日本の8倍程度CO2を余計に出しているんですよ。それが同じマーケットでフェアに競争していると言えるんですかと。これからは環境基準ということをやらないと、つまり競争条件の再定義という中で環境基準をどうするのかということが、これ、ほっておくと物づくりは一番環境基準の緩いところに全部結集するという、この話も含めて本当はCOP15でやるべきだったんじゃないかと思います。

 直嶋大臣、どうぞ。

○直嶋正行 経済産業大臣 いや、なかなか加藤さんらしいお話で。私も昨日、辻さんに御答弁で申し上げましたが、まず、やはり今お話あったように、環境対策とエネルギー対策というのは一体なんだということなんです。ですから、さっきも成長戦略でどうなんだという話ありましたが、我々の成長戦略は、CO2対策をコストアップ要因ではなくチャンスとしてとらえてやっていこうと。ですから、成長戦略と気象変動対策を併せて、そして結果として日本の経済成長につなげていくと。ここは従来の政府の方針にはなかった点ではないかというふうに思っています。

 それで、そのためということでありまして、総理のおっしゃっている、主要排出国が参加をする、そして公平な目標を掲げる、しかもそれがCO2対策として意欲的な目標になると。このやはり国際的な枠組みをきちっとつくっていくということがまず不可欠なんです。今、加藤さんがおっしゃった環境基準を作っていく上でも、やはり世界的なそういう合意ができていかないと、それが本当に世界的なルールになっていかないと思います。

 したがって、まずこういう枠組みをつくると。枠組みの中で、今おっしゃったように、日本が最も世界的に見ても優れた省エネルギー技術あるいは環境技術を持っています。枠組みができればその土俵はできるわけですから、その土俵の中で日本は持てる力をしっかり発揮していくベースになるわけで、その上で今御指摘のあったような環境対策のためのルール作りをやっていきたいというふうに思っています。

 今、個々に申し上げますと、例えばLEDの基準でありますとか、これはもう既に六項目、国際標準機関に、評価機関に日本として提案をさせていただこうということになっていますし、将来的に言いますと、例えば将来の自動車であります電気自動車の様々な基準について、今、日米欧でその基準作りをやろうじゃないか、協議をやろうじゃないかというようなことを呼びかけさせていただいていまして、やはりそういう土俵づくりと併せて日本の強みを発揮していくと、こういうことでCO2の対策にも、世界の課題を解決する、それが日本の大きな役割だというふうに思っていまして、そういう方向でしっかり環境と経済、そしてエネルギー対策というのを整合性ある形で実行していきたいと、このように思っています。

○加藤敏幸 どうもありがとうございました。

 終わります。