国会質問

第169回通常国会 総務委員会(2008年5月20日)

電波利用料の使途の透明性、利用料負担の公平性を問う <総務委員会>

「大臣、あなたは、料金を負担をしている利用者の立場に立って、そのお金の使い方が適切か、理解できるのか、納得できるのかという視点で判断すべきだ!」


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 電波法改正案に関し、総務省が放送局や携帯電話会社から徴収している電波利用料に関して質問に立ちました。

 まず、電波利用料が地方の総合通信局でレクレーションなど目的以外に使われていた問題を取り上げました。利用の事実は認めながらも、「法的には問題はない」とする総務省の答弁に対し、合法であるかどうかの問題ではなく、料金を負担している国民の感情を汲み取り、理解を得られるのかという政治的な判断が重要であり、国会での議論を踏まえて対応すべきであると総務大臣に改善を要求しました。



 次に、電波利用料の負担の公平性について質問し、電波を使う二大産業であるテレビ放送と携帯電話との間の料金の格差を指摘。特にテレビ放送事業が、「公共性」と「生命・財産の保護機能」を持っているという理由だけで優遇されていることの妥当性を指摘し、さらなる格差是正措置をとるべきだと要請しました。

 また、衆議院で修正された項目についての質問を行い、修正案提案者の4名の衆議院議員に対し、「電波使用料の利用範囲の限定が担保されるのか」、「電波利用料の財務処理の透明性を確保するための具体的施策は何か」、「3年後の電波利用料の改定における検討はいかにあるべきか」など、具体的な確認を行いました。

【質問項目】
  1. 電波監理と電波利用料のあり方
  2. 適正・公平な利用料金のあり方
    (テレビ放送と携帯電話の料金差)
  3. 電波の公共性と民間放送の役割
  4. 電波監理行政の現状と課題、
    ボランティアの電波適正利用推進委員の活動について
  5. 修正協議についての確認
  6. 総務省関連団体に対する電波利用料の事業委託について
  7. 研究開発の評価について

1、電波監理と電波利用料のあり方

○加藤敏幸 おはようございます。
加賀谷委員に引き継ぎまして、ご質問を申し上げます。
まず、加賀谷委員の質問に対する答弁の中で、冒頭ではございますがいくつか確認をさせていただきたいと思います。また、私自身の感想も含めて問題提起も申し上げたいと思います。

 まず、一連のマスコミ報道もされ、また我々が指摘してきた電波利用料の使い方についてですが、これまでの答弁は、要は「法律・法令上直ちに問題とは言えない」ということだ思います。いや、むしろ内部規則だとか霞が関の役人の理屈で言えば「こんなのは当たり前なんだ」と、そういうことがベースにあって、でも、レクリエーションに使うなんていうのは、これは「税金を払ってくれる人の感情から言ったら問題があるから以後慎みます」、こういうふうに私には聞こえるんです。

 法律、法令上直ちに問題となるのであれば、これはこんなところで議論している場合じゃないんですよ。ここは国会なんです。国民の負託を受けて、主権者たる国民が電波利用料について3年に1回、法律改正のときに国民の思い、支払者の立場に立ってこの法律あるいはこの利用料金の体系についてどうだこうだと言うのがこのタイミングなんです。

 だから、大臣、ここで議論すべきは、お役人の世界の理屈、「法律、法令上直ちに問題があるかないか」というこんな議論よりも、負担をしている利用者の立場に立ってそのお金の使い方が適切か、理解できるのか、納得できるのかという視点で判断すべきだと、そう思ってます。その中で、今後のご答弁についてはそのことに基づいた、つまり政治の世界の規律として、昔は政治の世界の規律の方が緩かった、今は違うんです。役人の世界のお金の規律よりも政治の世界の規律の方がより厳しく、そしてそれを霞が関含めて全国のお役人に普遍していくと、そういう時代ではないかということを申し上げます。かつもう一つ、要は皆さん方、電波利用料の組織の末端での使い方について管理ができてなかったということでしょう。衆議院における我が同僚の議員が何日も掛けて、議員が持っている時間資源を費やして、そして質問をしたら、それについて、ああでもないこうでもないと。本来ならこういうものの使い方、ちょっと困ったことだねというのは、皆さん方の総務省の管理下において適切に把握すべきであって、その上で新たに使用料についてこ問題提起をすべきじゃないんですか。国会における質問の資源を専らそういうところに費やして、本体の利用料の本質的な議論に至る前にこれで議論使うのは、我々も好きでやっておるわけじゃないんですよ。

 だから、そういうことを含めて、洗いざらいすべての問題がぴしっと明らかにされた上で国会としての判断があり得るのではないかとか、こんなふうに考えるわけでありますけれども、このことも後ほど大臣の方から答弁をしていただければと思います。

 さて、加賀谷委員のすばらしい質問聞いておりまして、まずこれは聞かなきゃならない。電波利用料はスタートは平成5年、75億円から始まった。最初から電波利用料の本質的な徴収する哲学、基本的考え方、方針が固まっていたわけじゃないんですよ。75億円が今670億円に増えた。増えたことの最大の原因は、想定以上に携帯電話が普及したということなんですよね。この負担の現実的問題もございます。

 ただ、申し上げたいのは、電波監理の本質は国家の基本的な責任だということです。スタートはタイタニックの問題から始まっておるわけですけれども、混信含めて、電波監理ということは、軍用、警察用含めてこれは国の責任においてやるべきだ。ただし、たくさん増えてきたので、監理のためのコストについて、共益費的に、マンションの自治会費的に使っている人たちに負担してもらおうという仕組みから始まり、そして3年前に、電波利用における経済的価値に着目した上で、帯域幅だとか、使い勝手がいいのならばそれについて多少もらおうじゃないかということも含めて、この電波利用制度というのはずっと変わってきた。

 したがって、この10年間の電波行政は、特に利用料金に関して、思った以上にたくさん収入が入ってくる中で、あれにも使えるこれにも使えるという後付け的に項目を増やしていった。そういうことで、今日まで来たときに、止めどもなく使ってどうするんだ、放送事業者と携帯事業者との負担がこれで本当にいいのか、その理屈は一貫性があるのか、ということに議論が来ている。

そういう意味で、増田大臣のすべて責任だとは私は思いません。過去10年間やってきた行政の大きな積み重ねです。しかし、今日のこの時点において、この電波利用料という制度について反省すべき点があるのか。「反省せよ」と言うと、すぐ「反省しない」という答弁になるんですけれども、固いことは言いません、その辺は、来年、再来年に向けてのプラスになるような、大臣の感想も含めて、ご答弁をいただきたいと思います。

○増田寛也・総務大臣 お答えを申し上げますが、今お話ございましたとおり、この電波利用料制度というのができて、初めは無線局の数で、まさに今、共益部分というお話ございましたけれども、無線局数で割り当ててスタートをしていったと。

 ところが、それが時代とともにいろいろな携帯電話等が出てきたわけでございまして、ましてテレビ局などを考えますと、この使用帯域幅とか出力に応じてきちんと負担をしていただくという、そういうことが必要ではないか、こういうふうに変わってきて、それでこの電波利用料については3年ごとにいろいろ見直しを加えてきたわけでございますが、特に、前回の見直しでも、そうしたことで、いわゆる電波の経済的な価値というものを入れてやはり制度をつくっていかないと、国民の皆さん方はもう携帯電話いっぱい皆さん方お使いになっているわけですから、そういうことで、先ほどお話ございましたとおり、お一人お一人年額幾らということでお支払いいただいているわけですので、国民の皆さん方のご理解をいただけないと。こういうことで、17年改正という段階で、この使用する周波数の幅などいわゆる経済的価値も入れて制度を変えてきた。

 そしてさらに、そのときに附帯決議がございましたので、その附帯決議、受益と負担の関係の明確化ですとか、それから不感地帯を早期に解消するとか、あるいは国が使用する無線局の電波利用料もきちんとお支払いをする、そういったことについての改正も今回盛り込んで制度をご提案しているところでありますが、いずれにしても、希少な、有限の電波資源であって公共性が非常に高いものでありますので、それを利用する皆さん方の負担を公平にしていく、そして公共性ということが一番発揮できるかどうかということをきちんと見ていかなければならないと私思っておりますのと、それから、やはり何といっても先ほど来ご指摘があった利用料の個々の具体的な使途ですね。今ここで個々に、またご指摘があればご答弁申し上げますが、この場では申し上げませんが、今先生冒頭におっしゃったとおり、やはり法令がどうのこうのというよりも、法令も国民の理解があって初めて成り立つものであって、要は受益者あるいはその負担している方ですね、免許人、あるいはもうほとんど1億総、皆さん方いろんなものお持ちになっているわけですから、国民の理解があって初めてそうした使途が決まってくるんであろうと。

 ですから、それなくしてそうしたものに使途が適正だ云々ということはあり得ないと私も思いますので、そうした国民理解がまず真っ先にやられるかどうかという観点でこれは考えていくということが大事でありますし、そのためにも一層その使われ方のチェックというものが行われやすいように公表していく、オープンにしていくということがこの制度をお預かりをしている、運用をお預かりしている我々の責務ではないかと、このように考えております。その点を重く受け止めて、そして今後も適正な運用に努力をしていきたいと思っております。

○加藤敏幸 大臣のご答弁、せっかくのご答弁につきましてまたいろいろとご議論を進めていきたいと思いますし、また、法案修正がされていますから、この衆議院の方の法案修正者の意図も今後確認をしていって、そのことが国会の意思だと、こういうことでまたよろしくお願いをしたいと思います。

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2、適正・公平な利用料金のあり方(携帯電話とテレビ放送の料金差)

○加藤敏幸 その議論に入る前に、適正公平な利用料金の在り方という基本論において私は疑問を持っているんです。

 これは総務省の方から資料をいただいてご説明をいただき、今回、従来からa群、b群に仕分けて、a群に当たるのが電波の経済的価値の向上につながる施策、そしてb群がそれ以外の施策と。従来、a対bが200億円対440億円であったのが、今回380億円対300億円に比率の改善を図っていると。このことは今大臣がお話しされたことにも関連をするし、結果的に携帯電話の負担料からいくと420円からおよそ250円にまで引き下げられるという予定というんでしょうか、そういう計算になるということで、ここは改善がされていると言っていいと思うんです。

 ただ、この適正公正な利用料金の在り方というのは、先ほど加賀谷委員がグラフで、例えば放送事業者と携帯事業者との負担割合の比率のことを大きく問題にされました。なぜそうなるのかということにつきまして、これ、調査室の方の資料、大変僣越でありますけれども、その中、81ページに、特性係数というものを使って携帯事業だとかあるいは放送事業に対する負担の比率というものを決めているんです。お持ちならば82ページに、これは3ギガヘルツ以下、3ギガヘルツ帯というのは一番使い勝手がいいということで、ここに集中するわけでありますけれども、そこに簡易無線からFPU、ラジオマイク、PHS、その他の基地局、これはだいたい携帯電話なんです、人工衛星通信用、人工衛星放送用、テレビジョン放送、ラジオ放送と、こんなふうになっているんですけれどもね。そこに係数が掛けられると。テレビジョン放送は(ウ)と(エ)が係数が掛けられて、(ウ)とは、国民への電波利用の普及に係る責務等で、二分の一に軽減されると。放送局など、電波利用の便益を広く国民に付与するため、通常の市場活動を超えてユニバーサルサービス又はこれに準じた責務等が法令等において規定されているものについては、その公共性を勘案することで半額減免いたしますと。ついでに、これは重複適用されるということで、(エ)、国民の生命、財産の保護に著しく寄与するもので、これまた二分の一減額しますと。船舶局、航空機局など、国民の生命、身体の安全及び財産の保護に寄与するものについては、その公共性を勘案することとします、この文案そのものはああなるほどと、こう思うことで、これで二分の一と。二つ適用されると、倍満とは言いませんけれども、これ四分の一になるわけです、今は。

 そこで、テレビジョン放送はこの(ウ)と(エ)が適用されて四分の一になる、その他基地局、携帯電話は何も適用されないからそのまま一が係数掛けられる。この特性係数の考え方、ここのところを一つ質問したいんです。

 テレビジョン放送のどこに公共性があるんだと、こう言えば、テレビ局から総攻撃を受けますよね。だけど、この文案で言われている、あまねく市場動向を超えてユニバーサルサービスをやるんだと。それがテレビ放送事業者のいいところだから減免しますというこの適用が、放送内容ではなくて、市場動向を超えるユニバーサルサービス、これは責務が法令に書かれているからと、こう言われるんですけれども、減免されるほどのことをやっておるんですかと。それから、(エ)の方の、広く国民の生命、身体の安全及び財産の保護に関するその公共性をテレビジョン放送が持っているんですか。

 私は阪神・淡路大震災の被害者でもあったんですけれども、財産上の。その日のうちに当時の私の所属しておった組織の命令を受けて救援隊長として赴いた。一番役に立ったのは携帯電話なんです。あのときのテレビジョン放送を最初に東京で見たときに、役に立つ放送上の情報はなかった。ヘリコプターから、川があります、線路があります、煙が出ていますと。川の名前を言えと、芦屋川なのか武庫川なのか言ってくれないと訳が分からない。そういう情報しかなかったんです。だけれども、国民の生命、安全のその所在を確認するのに、携帯電話が役に立った。ある議員さんは、その場からこういうことになっておるという実況放送的に通報されたんです。

 それから、アマチュア無線のことを皆さん方遊びのように言われますけれども、遭難があったり事故があったり、こういう災害のときに、アマチュア無線の皆さん方がボランティア精神で連絡をしておってくれることというのは非常に役に立っておるんです。
そういう行為をテレビジョン放送はやっていますか。クルーが五つも六つも同じ場所で順番に放送しているんですよ、同じ場所で。救援隊からいったら「早くどいてほしい」と。そういう事実も指摘されている。

 ここのところを考えたときに、テレビジョン放送だから公益性があるというこんな何かスタンプで押したようなことはもうそろそろやめてもらって、テレビジョン放送だって、ショップチャンネル、朝から晩まで24時間商品情報を流しているということだってあるし、放送の内容についてコンテンツのことは言いません、BPOをつくってやるということにこの前法律を変えたんですから。

 しかし、本当の意味での公共性、国民の生命、安全のということからいったときに、携帯電話が係数一で、テレビジョン放送が二分の一、二分の一でと、こういう判断の根拠についてご説明いただきたい。

○小笠原倫明・総務省情報通信政策局局長 別途、担当局の方から補足があるかも分かりませんが、放送に関して申し上げますと、先生ご指摘のとおり、基本的には、大臣からも申し上げておりますが、使用周波数帯域幅を基本としつつ、かつ今先生ご指摘になったいわゆるあまねく普及努力義務、それから災害放送の努力義務に着目して、こういった公共性の要素に着目して四分の一というものを乗じて負担額を算定しているところでございます。

 そうしたあまねく普及義務あるいは災害放送努力義務に関する放送事業者の実態がどうであるかというご指摘かと思いますけれども、例えばあまねく普及ということに関しましては、今現在、放送事業者、全国1万局以上の親局、中継局等を通じて全国津々浦々まで放送サービスを提供しているところでございまして、これは諸外国と比較しても、そうした山間辺地、離島に至るまで放送サービスを提供していることに関しては放送事業者も努力をされているものと私は承知しております。

 それから、災害放送ということに関して申し上げましても、いろいろなご評価があるとは思いますが、例えば最近の新潟中越地震その他の大災害等につきまして、ある意味ではNHKのみならず民放もネットワークの全体の力も結集して様々な報道に迅速かつ、その災害現地の方々の役に立つ情報の提供にお努めいただいているのではないかと私どもは認識しておるところでございます。

○加藤敏幸 今委員さんの中から利益を上げているという言葉が出ましたけれども、ここも少し議論させていただきますけど、研究会報告の中でこの電波利用についてはクラブ財、みんなで使う財産だと、こういうことになっているわけですね。例えば、いわゆるアマチュア無線でいくと、参加者が一人増えると使えなくなるわけじゃないんですよ。1万人増えると、トラフィックの逼迫が起こって使いにくくなるという情勢はあるけれども、参加者が増えてもこれは使えるし、参加者は増やすようになっているんですよ。携帯電話も同じなんですよ。ところが、テレビ放送のこの免許は排他的免許なんです。ほかの電波の参入を禁止して、だからテレビはきちっと映るわけでしょう。だから、ここの利用料の考え方についても、ここのところもきちっとやらにゃいかんわけですよ。

 だから、テレビ放送事業者というのは、放送事業者ではあるけれども、宣伝広告を通じて収入を得て利益を上げているんです。その方法論として、コンテンツを流して視聴率を上げる、お客さんを集客してすばらしい番組に、だからスポンサーの皆さん方にコマーシャルを払ってもらうという事業経営形態になっていることも事実なんです。

 それから、あまねく電波の普及に貢献していると言いますけれども、ビルが建ったときの補償は建てた事業者がやるんです。新しいビル建てると10億、20億、30億、みんな電波障害補償を事業者がやっているんです。携帯事業も、不感地域根絶のためにアンテナを立てて努力をしているんです。法律上の責務の有無だけを言われますけれども、実態的には、テレビ放送をここまで優遇するなら、携帯事業だってものすごく役に立っていますよ。遭難したときにアンテナが立っておれば、GPSを使ってその所在確認ができるのは携帯電話なんですよ。だから、国民生活の実態、実感からいったときに、テレビ放送と携帯事業と何ら差はないと。4対1まで差別的な対応をするということについて相対的問題としてあるんではないかということをまた申し上げて、更に時間が足りませんから進めますけれども。

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3、電波の公共性と民間放送の役割

○加藤敏幸 お手元に資料をお配りしています。これも三菱総合研究所の携帯電話事業者と放送業者の電波利用料負担の格差についての調査分析、平成15年度から17年度の三か年平均で携帯事業者三社と民放キー局五社の平均値を取って電波利用料の負担度を比較したということであります。これによると、連結売上高に対する電波料の負担について見ますと、携帯事業者は民放の6.2倍の負担、また連結営業利益で比較すると3.5倍、連結経常利益で比較すると3.2倍というように、経営的な観点から見たときに携帯事業者の負担が結構高いと。

これは、これだけでもって議論することはできないんですけれども、経営に対する負担ということからいったときに、先ほどテレビジョン放送だって利益を追求する民間の株式会社として経営をやっているのであれば、携帯電話事業とテレビ放送事業を比べたときのコスト負担もやっぱり勘案すべきではないんでしょうかと、こう思うわけであります。

 今回、格差については縮減の方向にありますけれども、このくらいは大したことはないと、そう言う人もいるかもしれませんけれども、携帯電話がここまで一般的に普及し、マイナス面もありますけれども非常に貢献をしているということを考えたときに、テレビジョン事業者、携帯電話の電波利用料の負担の現実はなかなか理解ができない。こういう視点に立って答弁をお願いしたい。

○寺崎明・総務省総合通信基盤局局長 今委員の方からご指摘ございましたけれども、今回の料額の見直しにつきましては、テレビジョン放送局の料額につきましては他の無線局と同様の考え方に基づきまして周波数といったような観点から公平に算出した料額について負担することとしております。

 繰り返しますけれども、電波利用料の算定方法に関しましては、その基本的な考え方につきましては、オープンなプロセスで免許人のご意見も拝聴しながら見直しを行っているものでございます。

 なお、放送事業者の負担額が携帯電話に比べて少ない理由は、先ほど申し上げましたとおり、経済的価値を勘案した算定におきまして、放送事業者はあまねく普及努力義務及び災害復旧努力義務といったようなものが法律で決められておりますので、そういったようなかかる特性係数として、それぞれ二分の一ずつ周波数帯域幅に乗じられていると。

 一方、携帯電話につきましては、ユニバーサルサービスというのが今現在決められておりません。固定電話につきましてはNTT東西にユニバーサルサービスの義務付けがありますけれども、携帯電話についてはないという状況でございます。このほか、携帯電話には電波を発射する非常に多数の端末数分の電波利用料の負担もあるといったようなこともあることによってそういったような差が出てきていると、このように考えております。

 携帯電話事業者と放送事業者の経済指標による比較についての調査結果で先生の方からお話がありましたけれども、これは昨年開催されました電波利用料制度に関する研究におきまして、どちらかというと負担能力の議論の際にちょっと用いられた資料でございますので、負担の在り方とかそういったものというようなことでの研究会では議論ではなかったということは、ちょっと余計なことかもしれませんけれども、付け加えさせていただければと思います。

○加藤敏幸 議論の場ですから、勝手に余計なことだと判断せずに言いたいことは言ってもらって結構なんです。
と同時に、一生懸命質問したことについて正面から答えてくれていないじゃないですか。1年前ならそれで済むかも分からないですよ。何で言ったことに正面から答えないんですか。答えられないんですか。別に携帯事業者から言われてやっているわけじゃないんだ。同時に、放送事業者から言われているわけでもないんです。素直にこの報告書を、調査室が作ってくれたものを一生懸命読んで、私なりに過去思っていたことの知見に基づいて分析をして今日お話をするならば、これが国民の声ではないのかと。そういうやり取りを今真剣にやろうというわけでしょう。総理大臣だって、野党の皆さん、一生懸命一緒に議論しましょうと。議論しましょうといって一生懸命やっていることについて、答弁がその程度で終わるんだったらこれ決着付けられないじゃないですか。

 今度の法律改正でこうする、修正するとか、そう言っているんじゃないんですよ。皆さん方も17年から比べて負担割合を変えたんでしょう。私の言ったことをここから先も理解できない方向で変えているわけじゃないんでしょう。何でそのことが言えないんですか。言い訳ばっかりされたって困るんですよ。

 ということで、やっぱり流れとしてはそういう方向ですと、こう一言言っていただければ本委員会の審議だってスムーズにいくんですよ。それを、いやそんなつもりで作った資料でもない、ああでもない、こうでもないと言われたら、私が一生懸命言っておることについて反対されているんだなと。
大臣、その辺どうなんですか。

○増田寛也・総務大臣 お答え申し上げます。
まず、冒頭私申し上げましたんですけれども、この電波利用料制度ができたときは無線局の数でいろいろと割り振ると、まさに共益部分というような言い方があるかと思います。それから、電波の利用の形態が随分変わってきて、そして帯域幅とか出力とかそういうことも勘案しないとやはり公平が保てない。これはまさに、携帯電話がこれだけ爆発的に普及をして、携帯事業者が一方でいます、それから放送事業者が一方でいますと。そういうところのやっぱり格差が非常に大きいではないかと。国民の負担が、携帯事業者については一台450円ということで負担をしているわけですから、これがどうも考えれば、そのとき私が申し上げましたが、電波の受益ということについて国民の皆さん方によほど理解をしていただかないとこれについての制度が理解をされないということがあって、ですから、大きな方向性としては、そういう使われ方の変化に応じてきちんと、端的に言えば、やはり格差を是正する方向で、しかも、そのやり方を極端に一どきにぱっと変えるというよりも、理屈のある範囲で段階的に変えるということで、これも国民の皆さん方の合意の範囲の中でやっていくということがいいのではないか、こういうことで私ども提案をしているわけです。

 ですから、局長の方もいろいろ、今言いました趣旨は当然そういうことでお答えを申し上げているところでございまして、今回の改正あるいは今後の電波利用料の在り方についても、総務省としてそういう方向で今後も考えていきたいと、こういうことでございます。

○加藤敏幸 格差の是正、この方向も含めてやっていくんだと、見事な答弁ですよ。もうこれでこの質問については終わります。

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4、電波監理行政の現状と課題、ボランティアの電波適正利用推進委員の活動について

○加藤敏幸 さて、次に電波監理の現状と課題について、一つは重要無線通信妨害がこれまでの500件台から700件近くまで増えていますね。

 現実の問題として、混信防止のため電波監理体制の強化が必要であると、このように考えているんです。予算的に、平成19年度が約76億円でありましたけれども、20年度予算では68億円と若干の合理化が図られていると。電波監視システムの整備計画の第五期が19年度で終わるということもあるということがあります。

 そういうことで、電波監理体制というのは国としてしっかりやるべきだということの前提において、今言ったような整備計画の現実、どこまで成功したのかを含めましてご説明をしていただきたい。

 併せて、電波適正利用推進員制度というものがある、この制度は、不法・違法無線局をなくする電波監視活動において地域社会に密着した活動が不可欠として、現在全国で約700人の電波適正利用推進員、委嘱されてボランティアとして活動しているということで、啓発活動、相談窓口の紹介あるいは総合通信局長への協力と、こういうことで平成9年からスタートをしているということであります。

 現在、無償で活動してもらっているということではございますけれども、電波利用料について先ほどいろいろ議論がございました。推進員の皆さん方一生懸命やっておられて、成果が上がっておられるということであるならば、電波の適正利用のための活動であるということで、これは何らかの、報償とは言いませんけれども、努力に報いると、一から百までボランティアをお願いして、自分たちはレクリエーションでやっているというのは、これは均衡を欠く。いい仕事をして協力していただいているんだったら、もう少しそういう人に実のある対応をできないのかなと、こういうこともありますので、二点、ご質問申し上げます。

○寺崎明・総務省総合通信基盤局局長 委員ご指摘のとおり、電波監視、これは電波を使うときに安心して利用者が使えるといった環境整備から見ると非常に重要な仕事かと認識しております。

 そのためには電波監視施設の整備が必要になりますけれども、電波利用状況だとか電波技術の発展など電波利用環境の動向を考慮しながら3年ごとに整備計画を策定いたしまして、計画的に施設整備を実施してきているところでございます。

 19年度に比べまして、20年度の予算、7.6億円ほど委員ご指摘のとおり削減になっております。この主な理由は、平成19年度をもちまして、各総合通信局に配備していました遠方方位測定設備、どこから電波が飛んでくるかというのを測る機械なんですけれども、それのセンター設備の整備が完了したことによります設置工事、設備数が一応減ってくるといったようなことがまず一点ございます。

 それから、二点目としまして、遠方方位測定装置です。どこから分からない電波が飛んでくるかというのを測るためにセンサー局というのをセンター局の外に造っていくわけですけれども、遠方方位測定設備の一般競争入札におきまして、複数のセンサー局を今まで一括に、かなりの多くの数を一発で発注していたんですけれども、そうしますと大手の企業しか入ってこれないとか、そういうこともありましたので、一定数ごとにまとめて、分けて発注することによりメーカーさんが参入しやすくさせていただきました。分割発注することにより入札への参加機会を増やしまして、効果的な競争促進策を取ったことで、センサー局の調達額を減らすことができてきております。こういった理由により減ってきているわけでございまして、決して監視業務に支障を来すものではないと認識しております。

 先生ご指摘のように、今後とも、監視業務、非常に大切ですので、しっかりと取り組んでいく必要があろうかと思っています。

 それから、電波適正利用推進員制度、ご指摘がございました。
これは先生の方からもうお話がありましたとおり、民間のボランティアに、地域に密着した立場を生かしていただいて、電波の適正利用に関する周知啓発だとか混信相談への助言、不法無線局の情報収集、不適法な無線機器の販売情報収集などを実施いただいているものでありまして、現在、全国で約700名の方に活動していただいております。

 こういった方々は地域の草の根レベルから活動いただいておりまして、平成19年度には、小中学校を対象とした電波教室の開催を135件、混信相談への助言190件、不法電波局の情報収集42件、不適法な無線機器の販売情報収集249件など、総務省が行っている電波監視活動の効果的な実施に極めて貢献していただいております。

 こういったような観点から、私どもとしては、電波適正利用推進員は、無線通信の利用や無線技術についての専門的な知識を有しまして、電波利用環境の保護や電波の適正な利用に対して深い理解を得られた方々に委嘱しておりまして、活動に不可欠な研修や遠隔地での会議への出席にかかわる、現時点では交通費の実費は支給させていただいているところでございます。

 このような状況にありまして、更に活動に対して、先生、報酬が必要だといったお話がございましたので、私どもとしましては、今度、電波適正利用推進員からご意向もよく聞きまして、他のこういったようなボランティアの事例も参考にしながら検討してまいりたいと思っております。

○加藤敏幸 公共サービスの中で行政が直接担えるところもたくさんありますけれども、国全体として、やっぱりボランティアに依拠せざるを得ないことは山のようにあると思うんです。

 過日も、消防団員の課題については同僚委員の方からもご質問、ご指摘させていただいたように、やっぱり国会としても事あるごとに、このようなボランティアに努力されている方のご努力に敬意を表すると、そういうようなことは当然のことであって、また、そのことを大切にしていくということが必要であります。

 それから、電波監理はテロ対策としても非常に重要な項目だということで、国際的にも強化が要請されているということを含めてご努力をお願いしたいと思います。

 さて、質問通告では、この後、電波行政と利権、天下り問題であるとか研究開発の評価について予定をしておりますけれども、今日は、衆議院の方から修正にかかわる議員の皆さん方にご足労いただいていますので、そちらの修正協議にかかわる確認事項等についての質問を先にさせていただきたいと思います。

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5、法案の修正協議についての確認

○加藤敏幸 今回、衆議院における審議過程で、与野党のご協力によりまして修正協議がなされました。その主なものは、第一が電波監理審議会への諮問の方法の見直し、第二に電波利用料の使途の限定、第三が電波利用料に関する検討規定の追加に関する事項と、こういうことでございます。

 総務委員会にかかわる閣法につきましては、現下の国会の勢力状況といいましょうか、そういうようなことを直視される中で、非常に柔軟な修正ということで処理をされてきたと思います。そういう意味では、非常に、そのご努力に当たっておられる衆議院の各議員の皆さん方、立場それぞれおありの中で大変な努力をされているということにつきまして、参議院の立場ではございますけれども、まず敬意を表したいと、このように思います。

<電波利用料の使途の限定について>
○加藤敏幸 そこで、電波利用料の使途の限定につきまして確認させていただきたいと思います。
私ども民主党あるいは会派といたしまして前回の電波法改正時にも主張いたしましたように、電波利用料の使い道について、これを拡大させないという方針で議論をしてまいりました。今回修正において限定列挙という形になりましたけれども、修正案提案者におかれましては、この法案、法文修正の使途の拡大の制限がどの程度担保されると、この修正によって担保されるとお考えになられているのか、まずお伺いしたいと思います。

○山口俊一・衆議院議員 加藤先生のご質問にお答えをさせていただきたいと思います。
その前に、大変我々の努力をご評価いただきまして、本当にありがとうございます。
今回もこういう形で修正をさせていただきましたが、今の先生のご質問でありますが、衆議院の質疑の中でもやはり使途を限定すべきだというふうなご議論がございました。また、一方において、先ほどもご議論がありましたように、携帯の爆発的な普及だとかあるいは地デジ対応だと、あるいは利用の複雑化等々でいわゆる使途が拡大をしてきておったということがございます。

 現行の電波法の規定はもうご案内のとおりで、電波利用料の使途となる事務については第103条の二第四項第一号から第六号まで事務を例示として列挙をしておりますが、実はそれ以外の事務につきまして同項の柱書きのその他の事務に該当するというふうなことになっておりました。

 政府案でもこの点は変更がなかったわけでありますが、やはり様々なご議論をいただく中で、今回の修正案では、電波利用料の使途は同項の各号に限定列挙をさせていただく、同時に、その他の事務で今までいろいろやっておりましたが、このその他も限定列挙させていただいて、その他の事務というこれはもう削除するというふうなことにさせていただきました。これによりまして、各号に列挙した使途以外に電波利用料を充てるということは認められなくなるわけでありますので、むやみに電波利用料の使途が拡大をされることはこれでなくなるであろうというふうなことでございます。

○加藤敏幸 衆参における議論の中での大きな問題指摘について修正ということで対応されたということで、限定列挙の方がはるかにその意を体現できるということで理解をしたいと思います。

<研究開発にかかわる問題>
○加藤敏幸 さて二点目は、研究開発にかかわる問題でございますけれども、第103条の二の第四項にかかわる法案の修正部分、ここを少し見てみますと、第三号の研究開発に関してはより具体化されていると思います。追加的な列挙の四号、電波の人体等への影響に関する調査、並びに五号、標準電波の発射、並びに九号の無線通信を利用することが困難なトンネルその他の環境において当該無線通信の利用を可能とするために行われる設備の整備のための補助金の交付と、更に十号、十二号とあるわけですが、これらの追加的列挙がなぜに使用目的の限定となるのか、その関連について確認をしたいということでございますので、ご説明をお願いしたいと思います。

○石田真敏・衆議院議員 お答えをさせていただきたいと思います。
今ご指摘いただきました追加的に列挙された事務のうちで、新しい第四号、第五号、第九号及び第一号の事務につきましては、現在その他事務として行われて、今まで行われていた事務でございまして、今後も引き続き電波利用料財源を充てることが適当ということでございまして、これを限定列挙した各号の中で規定をすることといたしておりまして、このことによって、先ほど提出者から答弁もございましたけれども、安易に使途が拡大されないようにということでございます。
また、新しく第十号といたしまして、電波利用料財源を充てる事務といたしまして、電波に関するリテラシーの向上に関する事務を追加的に規定しております。
以上でございます。

○加藤敏幸 研究開発については非常に前向きにとらえたいと考えています。この研究開発によって、トラフィックと言われている逼迫状況の解消であるとか、帯域のより効率的な活用だとか、新しい知見だとか方法論が開拓されて、結果的には、利用者にとっては場合によっては爆発的な効率、効率というか効果を与えることができるという、それは可能性が大きいわけでありますので、ここはしっかりと限定列挙をし、はっきりした上でやっていくという意味において、また必要があれば今後国会において加筆していけばいいということだと思いますので、これも十分理解ができるということであります。

<電波利用におけるリテラシー向上>
○加藤敏幸 さてそこで、十号のリテラシー向上というところを加えられたということでございまして、電波の能率的な利用を確保し、又は電波の人体等への悪影響を防止するために行う周波数の使用又は人体等の防護に関するリテラシーの向上のための活動に対する必要な援助と、よく分かる名文ではありますけれども、ふと考えると今国会におけるなぞになるのかなと、そういう思いもしないわけでもないのでございまして、ここは是非ともリテラシーということが、通常分かりやすく言えば、読み書き能力を含めた文的なそういう能力全般を指しているというふうに思います。その趣旨を含めまして、やはり国会の質疑の中で明らかにしていく必要があると思いますので、是非ともそこのところのお話をいただきたいと思います。

○原口一博・衆議院議員 ご答弁させていただきます。
その前に、加藤先生始め皆様に大変多くのご示唆をいただいて修正案を作ることができましたことを、委員長を始め皆様にお礼を申し上げたいというふうに思います。
まさに今、加藤先生がご議論なさったように、公共の電波、これを使う、その主役はだれかと。今、民主党では、公共サービス基本法において、公共サービスにおける主権者、その権利、権利の保障ということをご議論いただいておりますが、まさにこの電波における主権者、そこにエンパワーしていく、この仕組みを入れなきゃいかぬということで、今回初めて国会の法律用語の中にリテラシーという言葉が入ったわけでございます。

 今、先生がお話しになりましたように、国立国語研究所によれば、リテラシーの言葉というのは元来は読み書き能力のことでありますが、現代では、私たちはもっとそれを進めて、情報を読み書き、活用する能力の意味で使われることが多い。まさに使いこなすために、主権者に対して、安全にこの電波を使ったものを使いこなしていただくと、そういう思いを込めてこの条文を入れさせていただきました。

 また、新第十号の事務は、混信等の妨害を生じさせずに無線設備を使用する方法、違法な無線機器やPLC、電力線搬送通信、モデムの見分け方など、あるいは電波から人体、電子機器を守る方法、これは携帯電話についてペースメーカーから一定の距離を置かないとそういったものについては大変な危険を招くということも言われておりまして、病院内において使用を控えることなどに関して国民の今申し上げましたリテラシーの向上を図るため、周知、広報啓発、教育等に対して新たな電波利用料を充てるものとするものでございます。ご理解をいただければと思います。

○加藤敏幸 ただいまのご答弁の内容は、法律上の文章に加えて、主権者たる国民にかかわる、むしろ目線を国民に置いてこの問題をとらえていくという、言わば行政者の立場から国民、主権者たる国民の方に、サイドに目線が移動した立場でこういう言葉、ワーディングといいましょうか、言葉を使われたということで、その趣旨は今のご答弁について非常によく、なるほどというふうに理解できました。

 したがいまして、この法文を運用される総務省の皆さん方におかれましても、ただいまの答弁も踏まえていただいて、今後の行政の中で応用していただきたいと、このように要望を申し上げたいと思います。

<電波利用料会計の透明性の確保>
○加藤敏幸 さて次に、電波利用料会計の透明性の確保についてでございます。
今回の修正で最も注目しておりますのは、第103条の三で追加された三項でございます。私どもは電波利用料といった、言ってみれば特定財源に近い収入で得られた財源が、本当に利用者のため、国民のために使われているのか、受益者負担の原則が貫かれているのか、また国会で承認された予算どおりに使われているのか、こういった視点から電波行政や予算の執行状況をチェックしてまいりました。

 収支が項目的にも金額的にも一致しないという実態についての疑問を持たざるを得なかったし、先ほどの、たまっていた剰余金の扱いについても、正直言って区分経理はされていなくて、言わば使うことができるデポジットみたいな感じで扱われていると、こういうことでございました。具体的に言うと、衆議院でも議論になったように、予算、決算の連動性含めていろいろ課題があるということであります。

 この会計処理につきましては、全省庁的同様な傾向がございますので、これから先、衆参ともに国会の大きな課題であると考えておるわけでございます。まさしく予算、決算が一対一で写像関係にある、対応関係にあるということが最も分かりやすく、また、行政が行った効果の評価をする上でも非常に大事なことだと思っておりますので、より分かりやすい仕組みが必要であると思うわけであります。

 今回追加された条文は、「総務大臣は、前条第四項第三号に規定する研究開発の成果その他の同項各号に掲げる事務の実施状況に関する資料を公表するものとする。」と、こうなっているわけであります。私どもとしては、予算にかかわる支出の明細書の国会提出とか、決算については、予算項目と連動させて、支出日、支出先、支出額及び支出の目的などを記載した書面が公表される、こういった施策を期待しておりますけれども、なかなか事務の繁雑さとかいろいろな事情があると思いますけれども、修正者としては、どのような財務会計処理の姿を想定されているのか、そこのところをご説明いただきたいと思います。

○黄川田徹・衆議院議員 お答えいたします。
  委員ご指摘のとおり、電波利用料でありますけれども、これ、特定財源的な性格を有しておりまして、しっかりとした使われ方がなされなければならないと思っておりますし、そしてまた、国会で承認された予算のとおりにこれまた執行されなければならないと、こう思っております。

 そこで、今回修正案により追加する第103条の三第三項は、電波利用料財源を充てて行う事務について、その実施状況を明確にし、事後的チェックが可能となるよう、総務大臣に対してその実施状況に関する資料を公表することを義務付けたものであります。また、この修正案によりまして、支出額について、事務ごとや予算項目別の内訳等が公表されることによって支出の内容が透明化され、より一層適正なものとなることを期待しておるところであります。

○加藤敏幸 ただいま法案修正者のお立場で、期待というお言葉をお使いになりましたけれども、そういう考え方が披瀝されました。
そこで、まさしくその意図どおりに成果を上げることができるのかどうか、また、国民に成り代わり国会におけるチェック機能が働くのかどうか、これは行政の対応ということも大きな要素かと思います。言ってみれば、いいかげんな対応をすればなかなかチェックが本当に動かない。いいかげんさを手直ししてもらうために国会での質問の時間が費やされるということになるわけであります。

 そういうような点で、先ほどの加賀谷委員とのやり取り等を拝見しながら、行政の立場でもこの本修正について深いご理解をいただかなきゃならないなと、こんなふうに思っておるわけでありまして、そういうことを踏まえまして、総務省として、この国会の修正、またそれに秘められたというんですか、込められた要望事項についてどうこたえられようとしているのか、ご見解をいただきたいと思います。

○寺崎明・総務省総合通信基盤局局長 この修正案では、電波利用料の使途を一層明確化するといったようなことと、それから使途の明確化、明らかにしていくといったようなことが柱になっていようかと思います。また、リテラシーといったような新しい取組もするようにという、そういうご指示だというふうに理解させていただきたいと思います。
特に今委員ご指摘の、報告、資料の公開をきちっとやるようにというご趣旨がありましたけれども、そこにつきましては、やはり、免許人から見ていただいたときにその資料が分かりやすいと、実際に見ればどんなことをやってどんなことが適正に行われるかがすぐ分かる、こういったことが大切かと思いますので、私どもとしては、どういう資料をどういうふうな項目で整理して表していったらいいのか、早速に検討を開始していきたいと思っております。

○加藤敏幸 その検討におかれましては、是非、本日の法案修正者、提案者の先ほどのご発言の意図が十分生かされるよう要望したいと思います。
さて、今回、修正によって附則に14項が追加されました。その内容は、「政府は、少なくとも3年ごとに、第103条の二の規定の施行状況について電波利用料の適正性の確保の観点から検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」と、このようにされております。

<電波利用料金の決め方>
○加藤敏幸 電波利用料金の決め方につきましては先ほど大臣の方から大変的確なご答弁をいただき、その答弁を多としたいと、このように思っていますけれども、当然、修正の議論の中でもいろいろご議論があったと思います。この条文を考えれば、3年後には、電波利用料の決め方、金額の決定に抜本的な改革方向と、それは、先ほど大臣が、格差を是正し、今の、17年から経済的な利用価値にも着目するんだ、帯域幅もその中に入れるんだ、出力だとか、いろいろと言われたことを当然踏まえてということになろうかと思いますけれども、その方向も期待をしているということでございます。
そのようなご議論もお聞きになっていただいたと思いますので、それを踏まえて修正案提案者として、どのような方向性を想定をされているのか、期待をされているのか、お考えになっておられるのか、その辺、お考えを伺いたいと思います。

○原口一博・衆議院議員 お答え申し上げます。
  まさに加藤先生がご指摘になったとおり、修正案で新たに追加した附則新第14項では、政府は、少なくとも3年ごとに電波利用料制度について見直しを行うこととし、その際には電波利用料の適正性の確保の観点から検討を行われるべきという、こういう規定をさせていただきました。

 先ほど阪神・淡路大震災のお話をご経験を踏まえてなさいましたが、まさに先生がお配りいただきました電波利用料負担の格差についても、例えば地震のときに、あのときに、たくさんの報道ヘリが空を覆って、瓦れきの下に助けを求めていらっしゃる皆さんの声が聞こえない、何とかしてくれと、こういうものが放送事業者に対しても寄せられました。

 一方で、携帯電話を使い、これは私どもの近くで起きた福岡の大震災のときも、例えば腎臓病で透析を必要とする方々が携帯電話によってどこの病院でどういう透析が受けられるか、こういう緊急性、公共性、公平性、こういう観点からも、先ほど大臣がご答弁なさいましたように、電波の適正性の確保、それから公共性、公正性という観点から格差についてもしかるべき見直しがされるものだと、こういうことを期待して、そして、これにより、今後の電波利用料の見直しに当たり、その料額について適正に電波の経済的価値、使用帯域幅あるいは出力、地域等を反映し、無線局数の推移も踏まえたものとなるように見直しが行われるように期待しておるものでございます。
以上でございます。

○加藤敏幸 法案修正提案者の皆さん方には大変ありがとうございました。
今お話をいただいたような方向で3年後の本委員会における審議がまさに気持ちよく、意義ある内容になることを心から祈念し、期待申し上げまして、修正にかかわる質問は終わりたいと思います。
さて、二つほど質問が残っておりまして、簡潔に質問を申し上げますので、是非ともご答弁も簡潔にお願いをしたいと思います。

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6.総務省関連団体に対する電波利用料の事業委託について

○加藤敏幸 まず、総務省さんの方で平成19年度関連外郭団体における電波利用料の契約状況というご報告をいただきまして、十の公益法人や独立行政法人との委託契約と、そういう内容が総額で74億円と、こういうふうに伺っております。電波利用料の約1割を超える金額だと思います。

 さて、いろいろと過去こういう内容について議論がされてきましたけれども、総務省関連団体に対する電波利用料の事業委託については、総務省として殊更公正性や適正性の確保に努めるべきであると、このように思っておりますので、そのためにどのような対応措置をとっておられるのか、ここを簡潔にお答えいただきたいと思います。

○寺崎明・総務省総合通信基盤局局長 電波利用料の使途のうち、研究開発などの専門的な知見や技術を必要とするものにつきましては外部の専門的な機関に業務を委託する必要があることから、公正性を確保するため、委託先の選定に当たりましては一般競争入札や一般公募による競争企画という競争性のある契約方式に移行しているところでありまして、平成19年度におきましては一部の契約を除きましてこのような競争性のある契約方式を採用しています。また、平成20年度からは、法律により義務付けられた業務や、少額、100万円以下のものを除き完全に一般競争入札や一般公募による企画競争に移行する予定でございます。

○加藤敏幸 更に公平性、適正性の原則に従ってご努力をお願い申し上げまして、次の質問に移ります。

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7.研究開発の評価について

○加藤敏幸 最後に、研究開発における評価についてです。私は、電波利用料を、先ほど申し述べましたように、新たなる研究開発に費やすということについては賛成でございます。ただし、総務省関連団体の独立行政法人情報通信研究機構がやはり中心になっているということでございまして、厳密性といいましょうか厳格なる姿勢が必要ではないかと思っています。

 研究開発につきましては、これはできなかったという結論も大変重要な結論なんです。何だできないのか、どぶに金突っ込んだのかと、こういうふうにすぐそういう反応をされる方がおりますけれども、科学技術における、サイエンスにおける知見として、できないことが明らかになったということは二度とそこに無駄な研究をしなくて済むという意味で、これ、できるかできないかが分からないということをやっていると、いつまでもこれやらなければいかないわけですから決着が付かないという意味で、大切だと思っているわけであります。

 そのことはそのことと踏まえて、研究開発事業の委託についての厳格な審査、チェック体制、そして事前事後の評価システムについて、どういう体制を取っておられるのか、ご説明をいただきたいと思います。

○寺崎明・総務省総合通信基盤局局長 電波資源拡大のための研究開発の実施に当たりましては、有識者、役所の人間じゃなくて有識者から構成される評価会を開催いたしまして、新規に実施する研究開発の必要性の判断を行う事前評価、それから委託先を公募するための基本計画書の評価、それから応募の中から研究開発の委託先を選定するための採択評価、それから毎年度の研究開発の進捗を評価するための継続評価、それから研究開発終了時に研究成果を評価するための終了評価、それから研究開発終了後一定期間を経てその効果を評価するための追跡評価、これを実施することとしております。

 電波資源開発のための研究開発は、平成17年度の電波法改正により新たな使途として追加されました。平成19年度末に一部の研究開発項目について研究が終了したところでございます。平成19年度に終了した九件の研究開発項目については当初の目的を達成しておりまして、今後民間における実用システムの開発、技術基準の策定を経て実用化される予定でございます。

 このうち早期に実用化されるものとしては、船舶用レーダーを狭帯域化するための発信機の不要電波低減技術がございまして、本年中にも実用化の見込みでございます。残りの項目につきましては、平成23年度までに実用化にこぎ着けたいというふうに見込んでおります。

○加藤敏幸 ありがとうございました。
予定した質問は以上で終了いたしましたので、時間はありますけれども潔く終了したいと思います。
ありがとうございました。