第171回通常国会 参議院本会議(2009年3月18日)
雇用の安定に大胆な施策を実施すべき
地域雇用創出のかなめは長期雇用、安定雇用にある。雇用情勢が一段と厳しくなる中で、もはや従来の政策の延長線上では政策効果を上げることは難しい。5000億程度の財源規模では不十分であり、これでは大胆な雇用安定化策を実行することなどはできない!
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本会議の代表質問に立ちました。
「地方税法等の一部改正案」ならびに「地方交付税法等の一部改正案」の2法案に関し、与謝野財務・金融・経済財政政策担当大臣ならびに鳩山総務大臣に質問しました。
世界中の景気が悪化し、底が見えないような状況になっており、この不況が地方経済や地域の雇用にどのような影響を与えているか、そしてそれをどのくらい深刻に政府として受け止めているかを質問しました。
そして、「生活防衛のための緊急対策」として、5000億円を「地域雇用創出推進費の創設」に充てられることになっているが、従来の政策の枠にとらわれず、もっと大胆な雇用安定化策を実施すべきと提言しました。
| 【質問項目】 | |
1.現在の不況の認識と地方経済への影響
○加藤敏幸 民主党の加藤敏幸です。
民主党・新緑風会・国民新・日本を代表し、ただいま議題となりました地方税法等の一部改正案並びに地方交付税法等の一部改正案の二法案に関し、与謝野財務・金融・経済財政政策大臣並びに鳩山総務大臣に質問させていただきます。
まず、地方経済と地方財政の現状認識についてお伺いします。
世界金融危機が実体経済を直撃し、世界同時不況が一段と深刻化する中で、我が国においても生産、消費共に著しく落ち込んでおります。昨年10月―12月期の国内総生産は年率換算で12.1%減となり、先進主要国で最も大きな落ち込みとなりました。輸出の減少が生産調整を引き起こし、それが雇用と消費を減らし、更に生産が減少していくという負の連鎖が止まりません。とりわけ自動車、電機、機械製造などの主要産業においては、来年度の生産計画も立てられない状況に追い込まれています。まさに、先が見えない、底が見えないという状況です。
与謝野大臣、現下のこの不況について、いつまで続くと考えておられますか。規模と期間についてお答えください。また、昨今の経済状況が地方経済や地場産業あるいは地域の雇用などに与える影響についてどのくらい深刻に受け止められているのか、与謝野大臣に伺いたいと思います。
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2.地方財政の危機的状況と負担の将来への繰り延べの問題
関連して、鳩山大臣に伺います。
現下の厳しい経済情勢の中で、地方自治体の今後の税収入が大幅に落ち込むことが予想され、政府はこれまでの政策の延長線上に立ち、平成21年度政府予算案と今議題となっています地方財政にかかわる二つの法案によって地方の財源不足を国から補てんされようとしています。
その手法は、地方財政の不足分約10兆円のうち、約5兆5千億円を国と地方が折半し負担するというものです。地方負担分2兆7千億円は、赤字地方債の一種である臨時財政対策債を発行することで賄おうとしています。政府は、地方が臨時財政対策債を発行したら、その元利償還金相当額の全額を後年度の地方交付税の基準財政需要額に算入するとしています。
しかし、こんなことをいつまでも続けていては、地方が支払う元利償還金がどんどん積み上がり、受け取る地方交付税の多くが借金の返済に充てるための財源になってしまうことが懸念されます。必要な行政サービスの財源が不足することにもなりかねません。
そこで、鳩山大臣に伺います。まず、約10兆円という不足分の見通しは適切なのか、更なる減収となる可能性はあるのかどうか、お答えください。不況が長期化するとの予測の中で、毎年将来にツケを回すやり方で本当にいいのかどうか、併せてお答えください。
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3. 地域雇用対策の政策効果の問題
次に、地域雇用対策について質問します。
政府は、生活防衛のための緊急対策として、地方交付税の1兆円の増額を別枠で確保し、そのうち5千億円を地域雇用創出推進費の創設に充てられることにしています。しかし、これを全国の自治体に分配すると、個々の自治体では不十分な予算としかなりません。線香花火を大きく見せようとしても無理なのではないでしょうか。
多くの都道府県や市町村は、当面の緊急対策として、期間を限定した臨時雇用の場を自ら用意することなどを考えておられますが、これは臨時応急の処置です。雇用創出のかなめは長期雇用、安定雇用にあります。雇用情勢が一段と厳しくなる中で、もはや従来の政策の延長線上では政策効果を上げることは難しいと考えます。
鳩山大臣は、地方の創意工夫によって成果を上げてほしいと言っておられますが、この程度の財源規模では不十分です。これでは大胆な雇用安定化策を実行することなどはできません。長期雇用や安定雇用などは夢のまた夢です。総務大臣として、この予算の規模と有効活用をどのように考えておられるのか、大臣の見解を伺います。
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4. 定額給付金の支給問題
次に、定額給付金について質問いたします。
定額給付金関連法案は、本院において否決されたにもかかわらず、衆議院での再議決によって成立し、現在、各自治体において定額給付金の給付作業が始まっております。定額給付金が持つ問題点につきましては、私どもが繰り返し追及してきたわけでありますが、実施段階に至りましたので、今後の問題について質問いたします。
まず、麻生総理大臣は、この定額給付金は生活支援ではなく景気対策だとし、御本人も受け取られることを表明されました。しかし、この定額給付金は本当に景気対策となるのでしょうか。この疑問は私たちだけが持つ疑問ではありません。多くの経済学者やアナリストが平成20年度の第二次補正予算の中で最も評価できない施策として定額給付金を挙げています。
定額給付金の経済効果については、政府でさえ、名目GDPの約0.4%に当たる約2兆円を投じるにもかかわらず、実質GDP成長率をわずか0.15%ポイント程度押し上げる効果しかないと認めています。また、景気が今後ますます悪化する見込みの中で、給付金が貯蓄ではなく、どれほど消費に回るのかも不透明です。
元々生活のために経済があるのであり、経済のために生活があるのではありません。消費拡大には安定的な所得増の確立が不可欠です。その意味で、この財源は、本来、雇用・貧困対策や地域医療の整備など他の目的を持った政策に回すべきでした。
麻生内閣はこの政策を強引に誘導してきたわけですから、与謝野大臣はこの場で定額給付金の経済効果について明確に理由を付して説明してください。
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5. 国の出先機関の整理・統合問題
次に、地方分権問題に関して質問します。
地方分権については、現在、地方分権改革推進委員会が真剣な議論を積み重ね、昨年12月8日には、国の出先機関の整理統合などを提案する第二次勧告を麻生総理大臣に提出いたしました。
しかし、その内容は、二重行政をなくすには極めて不十分なものにとどまっています。最大の問題は、国の出先機関が抱える事業の多くを国の事業として存続させる方針であることです。
地方に移譲する直轄国道や河川の扱いについても、昨年5月に出された第一次勧告では、第二次勧告までに具体案を得るとしていましたが、第二次勧告では結論を先送りし、明確に後退いたしました。また、第二次勧告は、地方整備局、地方農政局、経済産業局などを束ね、ブロックごとに地方振興局や地方工務局といった巨大な出先機関を創設するとしています。大半の事業を国に温存したまま統合すれば、国の力がかえって強まりかねません。地方分権に名を借りて組織の焼け太りをねらう官僚お得意の手法です。
そこで、地方分権改革担当大臣でもある鳩山大臣に伺います。第二次勧告で示された出先機関の見直しについてどのように評価しているのですか、答弁を求めます。
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6. 国の直轄事業の地方負担の問題
次に、国の直轄事業に対する地方負担の問題について伺います。
地方側が国に要請したものではなく、ダム建設を始めとする国の計画として実行される公共事業につきましては、無条件に地方の負担分が決められ、さらに維持管理コストについても地方の負担が継続されることになっております。現在、地方財政がますます苦しくなっていく中で、この地方負担分の大きさが問題となっております。
民主党は既に、国の直轄事業に対する地方負担金制度を廃止し、地方負担をなくすことを主張しています。昨年の通常国会では、道路特定財源制度改革法案に同制度の廃止を盛り込み、参議院に提出いたしました。
そこで、鳩山大臣に伺います。民主党のこの提案に対してどのようにお考えでございますか。
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7. 地方税の各種政策減税の問題
次に、地方税法の改正案の具体的な内容について質問いたします。
今回、新しい税制として個人住民税において住宅ローン特別控除が創設され、また、自動車取得税の軽減措置もとられます。そのほか、幾つかの特例措置が延長されます。これらの政策減税は政策目標に沿って市民の経済活動を誘導していくというものですが、政策減税はどうしても一部の住民にしか利益をもたらさず、その政策効果も不明確です。その上、政策減税が多用されると、全く余裕のない地方財源をますます減少させることになります。
今回改正では、住宅ローン減税と自動車取得税の減税分については減収補てん特例交付金として国から充当されています。しかし、現在においても複雑な地方税財政制度を一層国民に分かりにくくするだけでなく、そもそも景気対策、経済対策は本来国が行うべき施策であります。当然、その財源も国が負担すべきものです。
現在、疲弊し切った地方経済を浮上させ、雇用を確保していくためには、抜本的な地方再生策が必要です。民主党が主張している道路特定財源の暫定税率の廃止、子ども手当の支給、高速道路の無料化、農業者戸別所得補償制度の創設など、国民の負担を軽減し、暮らしを支える大胆な政策を実行すべきです。
この点に関して、与謝野大臣並びに鳩山大臣の見解を伺います。
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8. 地方税制のあり方
関連して、地方消費税や地方法人課税の在り方について質問します。
現在、国のいわゆる国税五税が大幅減収となり、また地方税収も大幅な減収が見込まれます。とりわけ地域経済が低迷する中で、21年度の法人事業税は47.3%の減収が見込まれています。特に製造業の動向を見れば、この減収はもっと大きくなると思われます。
こういった事態において、地方財政を充実させるためには、地方財政制度の抜本的改革が必要不可欠です。民主党は、財政力の弱い自治体に手厚く財源を配分する機能を持たせた一括交付金制度や財源保障機能も強化した新たな財政調整制度を創設すると公約しています。
一方、政府・与党は、地方財政改革に対する具体的な方針を示していません。昨年12月に閣議決定された持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラムでは、地方税制については、地方分権の推進と、国、地方を通じた社会保障制度の安定財源確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税の在り方を見直すことにより、税源の偏在性が少なく、税収が安定的な地方税体系の構築を進めると述べており、検討、見直しなど、あいまいな言葉のオンパレードです。
さらに、政府・与党は、具体策の検討を地方分権改革推進委員会に丸投げしていますが、同委員会にそんな能力がないことは明らかです。
そこで、総務大臣に伺います。地方の財源を充実させるためにはどのような方策を実行するのですか、明確な答弁を求めます。
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9. プライマリーバランスの達成問題
次に、国、地方の財政収支の見通しと基礎的財政収支黒字化の問題について質問いたします。
本年1月18日に閣議決定されました経済財政の中長期方針と10年展望において、麻生内閣は、2011年までに国、地方の基礎的財政収支を黒字化させるとの目標の達成は困難になりつつあるとの情勢認識に立たれました。また、与謝野大臣は、先週、公の場で、財政規律の仕事は中期プログラムで一時公演中止だと発言されました。この発言の真意を伺います。
また、これは重要な方針転換でありますから、閣議において正式決定し、速やかに国会に説明すべきではありませんか。どうされるのかお伺いします。
既に参議院においては来年度予算案の最終的な審議をしている段階であり、本日は地方財政にかかわる予算関連法案を審議しているわけであります。なぜもっと早い時期に方針転換を議論できなかったのか、また大規模な追加支出の検討に着手されなかったのでしょうか。それでは平成21年政府予算案は取りあえずの予算案だったのですか。いずれにしても、現状認識が甘く、また本予算に関する国会での審議を形骸化するものであります。
与謝野大臣の認識をお聞きし、加えて、基礎的財政収支の黒字化の方針をどのようにされるのか、どのような経過措置をとろうとされるのか、説明していただきたいと思います。
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10. 三位一体改革の功罪
最後に、三位一体改革に関して伺います。
鳩山大臣は、先月の2月12日の衆議院本会議での質問に答えて、小泉政権下で実行された三位一体改革について、失敗の部分がある、地方をここまで苦しめているのは、改革に必ずしも正しくない部分があったと考えていると見解を述べられました。これまでも鳩山大臣は国会答弁で、三位一体改革をすべて否定するものではなく、国税が地方に税源移譲されたことは評価するとも答えられていますが、やはり三位一体改革のやり方について批判的な発言となっています。
現在、三位一体改革がもたらした問題点を是正するために、全国知事会を始め地方団体が地方交付税の見直しなど様々な提言を出されていますが、どのような政策の軌道修正が必要なのか、総務大臣の見解を伺いたいと思います。
以上、二法案に関する問題点を指摘しながら質問いたしましたが、いずれにいたしましても、現在の経済情勢、地方財政の現状、さらには求められる地方分権推進の目標からして、二法案は地方自治体や地域住民が求めているものに十分こたえていません。また、本格的な構造改革にも踏み込んでいません。麻生内閣は思ったほど経済には強くないし、改革の方向を正しく変更するほどの腕力もないということで、内心がっかりしています。やはり1日も早く民意を確認されんことを申し上げ、質問を終わります。
清聴ありがとうございました。
○鳩山邦夫・総務・地方分権改革担当大臣 加藤議員からの質問に順次お答えしてまいります。
地方の財源不足についてでありますが、景気後退に伴う大幅な税収の減少について、昨年12月の時点でできる限り正確な見積りを行って、その結果、平成21年度には10.5兆円の財源不足が生じることとなったわけでございまして、ただ、今後の景気動向について全く予断を許さないものがあると考えておりまして、今後の税収の動向については注意深く見守ってまいります。
次に、地方の財源不足の補てん方法についてお尋ねがありました。
地方財政は極めて厳しい状況にありまして、国も景気の後退に伴い大量の特例公債発行を余儀なくされている状況から、このところ、10年以上でしょうか、折半ルールの下で臨時財政対策債の発行がやむを得ないという状況が続いているわけでございます。
当面は景気回復を最優先として税収回復に努めていって、今後経済状況を好転させることを前提に税制抜本改革に取り組む際には、やっぱり地方消費税の充実というのが何よりも大事。それから、これは地方交付税法に規定があると思うんですけれども、交付税が足りないという状況が3年以上続いた場合には地方交付税の法定率の在り方の検討をするということになっておりますので、これも是非俎上に上げていかなければならないというふうに考えております。
雇用問題ですが、これは総理大臣が特別に地方交付税を1兆円増額をした、そのことによって、前年度より少なかったはずの地方交付税が、15兆8,200億円ということで、今年度に比べて来年度は4,100億円増えることとなったわけですが、その1兆円の半分は地域雇用創出推進費としております。これは大いに工夫して各自治体で使っていただければ有り難い。
これに加え、第二次補正予算においては4千億円の基金を創設するなど、これは都道府県に創設して市町村も使えるという雇用対策でございまして、かなりの規模で精いっぱいの雇用対策を実施してきておりますので、あとは地方公共団体がこれをうまく創意工夫でお使いいただきたいと、こう思っております。
地方分権改革についてのお尋ねでございますが、地方分権改革推進委員会の二次勧告は、国と地方の役割分担の見直しの観点から、116事項に及ぶ国の出先機関の事務権限について地方移譲等の見直しを行うとともに、地方再生、地域振興や出先機関を住民の目の届くものにする等の観点から、その組織の見直しを提言をいたしております。
第二次勧告の内容は、事務権限の見直し、出先機関の組織の改革のいずれの面でも地方分権の推進に資する重要な取組であると評価いたしております。ですが、一番重要なことは、地方分権ということは国の事務や事業や権限をどこまで都道府県に移していけるかということでございまして、その結果残る国の機関をどうするかというのは、私はその次の問題なんだと考えております。
民主党は、直轄事業負担金制度の、これは廃止を言っておられると思うんですが、まだ具体的な提案の中身は詳しく知っておりませんのでお答えすることは差し控えますが、直轄事業負担金については様々な問題があると認識いたしております。大体、地方自治体にろくに相談しないで直轄事業だと、負担しろとやれば、それはやっぱりなかなか愉快な形にならない。こういう例は実際にあるわけですね、調べると。
それで、先ほど申し上げましたように、直轄事業自体を減らすことが大事だと、それが地方分権だと私は考えております。現在は国と地方の役割分担、補助金、交付税、税源配分の見直しについて一体的な検討を進めていきまして、直轄事業負担金についてもこの一環においてこれは真剣に検討をしていかなくちゃならない。知事会の意見も重視していこうと思っております。
次に、地方再生が必要であって、大胆な政策を実行すべきではないかというお尋ねがありました。
政府としては、生活者、中小企業、地方という三つの重点で75兆円の経済対策を切れ目なく進めることとして、また地方交付税は、しつこいようですが、1兆円増額をしたと、こういうことなのでございます。
民主党の御提案には、政府の対策に実質的に盛り込まれているものもありますし、必ずしも将来的な財源の裏付けが明確でない政策もあると考えておりますけれども、やはりこういう時期でございますから、与野党が話し合っていくことが非常に大事だと思っております。
実は、おととい、生まれて初めて雑誌で兄弟対談をいたしまして、これはお互いいい政策だと思うものはこれは話し合って実行するという点のみでは兄弟一致いたしております。
次に、地方の財源の充実のための方策についてお尋ねがありました。
地方の発展なくして国の発展はありません。地方分権を推進し、地方税財源を充実することは重要な課題でございます。今後、税制抜本改革に取り組む際には、地方消費税の充実を図るなど、やはり税源の偏在性が小さくて税収が安定的な地方税体系を構築するということが基本でございますので、やはり地方交付税の法定率の在り方等についても地方税財源の充実という観点で取り組んでまいります。
三位一体についてのお尋ねがございまして、これはやっぱり三位一体という改革は、所得税を住民税に3兆円移し替えたという意味では非常に先駆的なものであり、地方税財政政策の第一歩であるという評価はできると思いますが、何事にも改革には光と影がございまして、やっぱり地方交付税の削減が結果として非常に急激であったというそのことが、現在やはり地方の厳しい状況に影響を及ぼしていることは否定できない。とりわけ、財政力の弱い地方公共団体には厳しい状況が続いていると思っております。
したがって、平成21年度には、既定の加算とは別枠で地方交付税を1兆円増額して、前年度を4,100億円上回る地方交付税総額を確保いたしております。
以上でございます。
○与謝野馨・財務・経済政策担当大臣 加藤議員の御質問にお答えします。
経済の見通しについてお尋ねがありました。
議員の御指摘のとおり、内外多くの経済指標は依然として悪化の方向を示しており、我が国の景気は当面悪化が続き、引き続き厳しいものになると考えております。加えて、世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念、株式市場の変動の影響など、景気を更に下押しするリスクが存在することに留意する必要があると考えております。
次に、地域経済の情勢についてお尋ねがありました。
最近の地域経済の状況を見ますと、これまで輸出に牽引され、景況が比較的良かった東海地域や関東地域においても、昨年秋以降、急速な有効求人倍率の低下、完全失業率の上昇が見られるなど、生産や雇用面などで極めて厳しい状況が一層広がっており、地域経済は総じて急速に悪化していると認識しております。
次に、定額給付金の経済効果についてのお尋ねがありました。
定額給付金の経済効果につきましては、過去の地域振興券の例を参考にして、定額給付金のうちおおむね4割程度が追加的な消費に回ると想定し、21年度の実質GDP成長率を0.2%程度押し上げると見込んでおります。
現下の厳しい経済状況の下では、所得の高くない方はこの定額給付金を貯蓄するより消費される可能性が高いと考えております。また、定額給付金は、家計への緊急支援としての効果を迅速に実現するとともに、所得の高くない方にも広く公平に行き渡らせることにより、消費を下支えする効果があると考えております。
次に、民主党の経済対策についてお尋ねがありました。
民主党が御提案されている経済対策は一生懸命作られたものであると考えておりますが、必ずしも財源の裏付けが明確でない施策が含まれていると考えております。一方、政府が取りまとめました経済対策には、民主党の御提案に関連する施策として、子育て支援策、高速道路料金の大幅引下げ、強い農林水産業の創出のための施策など、国民の暮らしを支えるための施策を盛り込んでおります。
次に、私の発言についてお尋ねがありました。
私の発言は、中期的には財政責任を果たす必要があるものの、現下の金融経済情勢の下、当面は景気対策が最優先であり、経済回復のためにはあらゆる政策手段を取ることが必要であるとの趣旨によるものであり、これまでの方針を転換するものではありません。したがって、御指摘のように、改めて閣議決定等を行う必要はなく、また、直ちに21年度予算の前提を変えるものでもありません。
次に、基礎的財政収支の黒字化の目標についてお尋ねがありました。
基礎的財政収支の黒字化は、持続可能な財政に向けた一里塚であり、過去に前例のない不透明な内外の経済状況に弾力的に対応しつつも、できる限り早期に達成することが必要であります。しかしながら、経済状況が極めて流動的、不透明な中では、一定の確度を持って見通すことは困難であります。当面は、財政規律の観点から、現行の努力目標の下で、景気の回復を最優先としつつ、財政健全化に取り組んでまいります。
以上です。
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