国会質問

第171回通常国会 総務委員会(2009年3月17日)

国の出先機関を整理し、地方分権を推進すべき <総務委員会>

国の出先機関の改革は権限・予算を地方に委譲することが基本精神で、各省庁の都合に併せて改革が遅れることの無いようにお願いしたい。そして、地方分権政策と地方活性化政策を両立できるよう、進めていただきたい。


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 大臣所信に対して質問に立ちました。国の出先機関の整理・統合策について、3月中に策定すると麻生総理は発言しているが、足踏み状態で、作業が進んでいないとの情報を踏まえ、行政の効率化を図り、地方分権政策と地域活性化政策を両立すべく、取り組みを進めて欲しいと要望しました。

 また、過去に実施している数々の地域再生政策について、どのように成果が出たかの政策評価をきっちり行い、そのノウハウを活かして今後の政策決定に反映すべきと提言しました。

【質問項目】
  1. 地方分権化の推進と地域の活性化
  2. 地域活性化・地域再生政策の整合性
  3. 国の直轄事業に対する地方負担分の問題
  4. 政府の統計業務の改善
  5. 政府調達における労務単価引き下げの問題
  6. 総務省の行政評価業務の厳格化について

1. 地方分権化の推進と地域の活性化

○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の加藤敏幸でございます。

 3月12日の当委員会で聴取いたしました鳩山総務大臣の所信に対し、会派を代表して質問をしていきたいと思います。

 まず、地方分権推進に関して質問をいたします。

 昨年12月8日に地方分権推進委員会が第二次勧告をまとめ、これを麻生総理大臣に提出されました。その主要項目の一つが国の出先機関の整理統合策ですが、現在これを具体化する工程表の策定が政府・与党内でいろいろ議論があって、足踏み状態になっているのではないか、このように見ております。

 麻生総理は勧告を受けた際に、改革のいわゆる工程表というものにつきましては政府におきまして来年3月までに作らなければならないと思っておりますと丹羽委員長に返答されたと。麻生総理はとにかく工程表は3月中に策定すると約束されたわけでありまして、まず鳩山大臣に工程表作りの進捗状況と、もし分かればその後のスケジュールなどについて説明をいただきたいと思います。

○鳩山邦夫・総務大臣 委員おっしゃりましたとおり、昨年12月に地方分権改革推進委員会から第二次勧告を受けておりまして、一つはいわゆる出先機関の改革ということでございまして、まあいろんな中身が含まれているわけでございますが、これを総理が受け取られて、私も陪席をしておりましたが、まず工程表を作ろうということでございまして、今年度、つまり3月31日でしょうか、今月の月末までに工程表を取りまとめるように総理から指示がありました。

 今回の出先機関の改革というのは、やっぱりそれは国と地方の役割分担の見直しというのが一番大きいわけでございまして、私は、これ時々誤解を受けることがあるのであえて申し上げますと、地方分権ということは、地方の事務や権限をどこまで増やしていくかということなんだろうと。だから、物すごく分かりやすく申し上げれば、最近いろいろ問題になっております直轄事業、国の直轄事業はこんなに範囲が幅広くていいんだろうかと。むしろ直轄事業を減らして、これを都道府県の事業あるいは事務権限にすると、そういうことが一番大事なんだろうと。その場合に、国の行政がスリムになる、出先機関の仕事もスリムになるので、その結果、出先機関の再編ということが起きてくるということなのだろうと、そういうふうに思います。

 総理からは、とりわけ二重行政はとにかくその無駄を省くために努力をしなさいと、それから住民に身近な行政は、国ではなくて都道府県や市町村が行うというようにすればいいのではないかという指摘を受けておりまして、ちょうど私が総務大臣になった後に起きた事故米、汚染米の問題というのは非常に農水行政の中でその格好の例ではないだろうかと。ああいう事故米が出たときに、実際、近隣の住民が一番被害に遭いやすい。したがって、都道府県が大活躍すべきところを農政局、農政事務所が一手に引き受けるというと、やはりちょっと住民との距離があり過ぎるというような問題があったと。

 そういう様々な観点から出先機関の改革も進めていくということで、今工程表作成の最終段階に入っておりまして、幾つか調整をしなくちゃならない点がまだ残っておりますが、基本的には工程表でございますので、いわゆるプログラムというのか、スケジュールを示すことが中心になりますので、極めて具体的に何をどうしますということを工程表に書き込むものではないかと存じます。

○加藤敏幸 この問題に関しましては、例えば国土交通省関係の出先機関の統合策、これは公共事業の減額につながるのではないかといったような懸念もございますし、与党内や関係官庁にも反対の声がある。また、勧告の内容は地方振興局など巨大な出先機関を創設するなど、地方分権にある意味で逆行するのではないかという懸念も出てきております。しかし、出先機関の改革は権限、予算を地方に移譲するということが基本精神でありまして、必要な予算が訳もなく減っていくと、そういうことではないと考えます。

 地方分権政策と地方活性化政策は、これはやり方によっては十分両立するものだと考えておりますが、地方分権政策というものの基本的な論議においてまだまだきちっと話が付いていないような部分が見受けられます。本日、先ほど大臣の、きちっとやりますと、総理もそのように考えておるというお答えをいただいたわけでありますけれども、現内閣において、総選挙があるわけですけれども、本当にそういういろんな意見がある中で、きちっと進めていかれるという決意がありましたら、それをお答えいただきたいと思います。

○鳩山邦夫・総務大臣 現内閣として全力を尽くしていくのは当然でございますけれども、工程表はスケジュールとプログラムについて触れるわけでございまして、ほぼ確定的と思われることは、この秋に基本的な計画を作っていって、そして分権一括法へと進んでいくわけでございますから、その間に当然総選挙も挟まるわけですが、相当な議論を、場合によっては激論が予想されるわけでございますので、ちょっと私言い間違えたわけではありませんが、地方分権改革推進計画自体は、多分でございますが、工程表を今作成中ですが、21年中ということになりますから年末ということになりますので、したがって秋から年末にかけてが一番の議論の場ということになるんだろうというふうに思います。

 ですが、私先ほど申し上げましたように、これは地方分権の問題でございますので、一番重要なことは地方公共団体に一層の権限あるいは責任を移譲するということだろうと思います。そして、首長さんたちが地域の真の経営者として腕を振るうことができるようにする、そういう取組でございますので、当然ながら公共事業の減額を目的にしようというような考え方は全くありません。むしろ地方再生という観点とか、今までの公共事業の透明性を確保するという方がより大きな目的になってくると思います。

 ただ、やはり出先機関の改革も含まれますので、総合的に地方分権改革を考えた場合に、それはやりようによれば、正しい方向としては地方の活性化、これが最大の眼目でございますが、やり方を失敗しますと逆に悪い結果を生むこともあり得ますから、真の地方分権とは何かという根本の議論に立ち返った正しい議論をこれから進めていかなければならないと存じます。

○加藤敏幸 このペースでいきますと予定した質問項目が終わらないか分かりませんので、もし届かなければ私と大臣の共同責任ということでお許しいただきたいと思います。

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2.地域活性化・地域再生政策の整合性

 さて、二番目に、地域活性化、地域再生政策の整合性という視点で少しお聞きをしたいと思います。

 お手元に、1980年代以降の主要な地域活性化、産業振興、雇用対策ということで少し一覧表にまとめております。ずっと見ていただきますと、いろいろようやっておるなと。恐らくもうこれ以上名前を付ける政策は出ないのではないかというぐらい日本語の組合せが随分できていますし、なかなかのものだなと、このように思うわけであります。

 こんなにたくさん地方活性化策だとか産業振興、雇用対策というふうなことをやってきたわけではありますけれども、しかし今日地方から聞こえてくる声というのは、そういう政策にもかかわらず、どうにもならないだとか大変だとか厳しいとか、何とかしてくれと、そういうふうな声が聞こえてくるわけであります。

 21年度政府予算におきましても、総務省管轄で地域雇用創出推進費が5千億、厚生労働省、ふるさと雇用再生対策特別交付金で2,500億、緊急雇用創出事業で1,500億、農林水産省関係でも農山漁村の活性化や林業再生などを盛り込んだ地域活性化に675億円、このほか経済産業省、文部科学省、いろいろとあの手この手が出されるわけでありまして、こういうことを見ますと、やっぱり省庁縦割りになっているのかと。これだけいろいろあの手この手で各省庁から政策が矢のように飛んでくるということでありました。

 それぞれの政策の連関性だとか効率的な連携だとかいうのが常にテーマになるようなことでありますけれども、ざっと見まして、そういった各政策が本当に相互有機的にどう連関し合って、あるいは関連し合って成果を上げているのかというところも、これは国民、税金を使う立場からいうと、しっかり手を携えてやってほしいと、ばらばらが無駄にならないようにやってほしいと、こういう思いがあるわけでありました。

 本来ならば、ここまで実施された地域再生、今申し上げました各項目について厳密な政策評価を行い、これだけいろんなことをやったわけですから、こうすればこんないいことがあるとか、こんなことをしたって余り無駄だったとか、そういう民間の企業でいえば現場ノウハウが積み重なっているのではないかと。だから、これから打つ政策は、そういう過去の経験を全部フィードバックして、更により磨き上げられたシェイプアップした効率的な政策になるのではないかと、そういう漠然とした期待を持っていますが、そうなっていないような気もいたします。

 こういう視点において、大臣、地域雇用対策を含めまして、地域振興を含めまして、今後の地域対策の予算の展開の仕方、何か工夫あるいは思いはありませんか。

○鳩山邦夫・総務大臣 今、先生御指摘の都道府県に付きました4千億円の雇用対策のためのお金、2500億と1500億に分かれます。これは舛添厚生労働大臣の方の分野でございます。

 私どもの方としては、総理が地方交付税を1兆円積み増していただいたその半分の5千億円を雇用創出の特別の推進枠としてセットしたわけでございまして、それとともに第二次補正でお認めいただいた地域活性化・生活対策臨時交付金6千億、こうしたものができる限り地方にとって使いやすいものであることが大事だと。それがもちろん生活対策ですから雇用だけではありませんけれども、雇用に使う場合でも非常に使い勝手がいいということで評判がかなりいいわけです。一次補正でわずか260億円でした、安心実現のための交付金でありましたが。これも使い勝手がいいということで評判が良かったわけで、今後の地域の活性化のためにはやっぱり使い勝手ということがかなり重要になってくるのではないだろうかと。

 先生おっしゃったように、縦割りでがんじがらめですと行動が取れないということはあり得ると思います。そうした意味で、行政評価という観点からもできる限りやっていかなければならないと思っております。ただ、網羅的に行政評価というのはできるものではありませんで、一義的には政策評価は各府省が自ら評価するわけでありましょう。ただ、自ら評価するとすれば甘くなる可能性がありますので、総務省がテーマを選んで政策評価をいたしております。経済財政諮問会議からこういう行政評価しろというふうに指示をいただく場合もあります。

 最近のものでいいますと、観光分野で外国人が快適に観光できるようになっておるかという行政評価をいたしました。意外なほどホテルや旅館で英語が通じないとか、あるいは自治体の看板等やパンフレット等が外国人向きになっていないとか、そういう指摘がなされたところで、そういう評価もいたして関係官庁に話を通しております。

 また、地域の情報化、いわゆるIT推進施策、それから都市農村交流という、こういうテーマについても行政評価をいたしまして問題点を抽出いたしましたが、これはもう一度同じようなテーマで行政評価をすることといたしておりまして、これからは、何というんでしょうか、地域が元気になるような施策をきちんとやっているかという行政評価はどんどんやっていきたいと思っております。

○加藤敏幸 まあ改革、改善というのは一朝一夕にはできないということで、あんまり急ぐと後で問題が起こると、こういうことは最近話題になっていますけれども、そういう意味で、地道にやっていただくと。同時に、今お答えいただいたのは、六番目の質問のお答えも時間短縮を図っていただいて、行政評価の問題も出されたわけでありますが。

 早い話、総務省は、総務大臣は1,800ある地方自治体の政府における代理人だと。だから、1,800の地方自治体の仕事が効率的にやりやすいように、その意を酌んで、やっぱり中央において各省庁に対してああせい、こうせいということを言っていいんじゃないんですかと、一歩踏み込んでくださいよと。同じ局長のくせに偉そうに言うなとほかの省庁から言われたときでも、いや、私どもは地方自治体の代理人なんだと、監察を持っているんだと、四の五の言うんだったら今度行政監察で、と。そういうふうな言い方はひどいですけれども、まあ基本的にはそのぐらいの気合いで私は地方の本当の意味での分権推進の仕組みでやると同時に、毎日のお仕事でも中央がそういうことをやられるということが大切ではないかということを申し上げまして、次に、直轄事業に対する地方負担分の問題について御質問申し上げます。

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3.国の直轄事業に対する地方負担分の問題

 これは、結構今議論が出ておりまして、先ほども大臣の方からこの直轄事業についての見解が結構簡明に出されたと思います。

 一つ、直轄事業の地方負担については、地方財政法17条二項に規定がされております。地方の不満は突き詰めれば手続的なものにもあると。とりわけ、地方財政が一段と厳しくなっている中で、地方としては、緊急を要する事業でもないのに一方的に国の事業に付き合わされたくない、また、事業費が後で膨らんで、地方側の負担増もどんどんどんどん雪だるまみたいに自動的に決まっていくのはおかしいのではないかという気持ちが非常に強いと。

 そこで、担当局にお伺いしますけれども、地方財政法17条の二項の後半部分は、「地方公共団体は、前項の通知を受けた場合において負担金の予定額に不服があるときは、総務大臣を経由して、内閣に対し意見を申し出ることができる。」と規定されていますけれども、これまでどのぐらい意見申出があったのか、また、実質的に金額修正などがあったのかどうか、経過を教えていただきたいと思います。

○久保信保・総務省自治財政局局長 御指摘の地方財政法第17条の二第三項、ただいまのような規定でございますけれども、これまで地方公共団体から内閣への意見の申出、これは事例はなかったものと承知をしております。一件もこれまでなかったということでございます。

○加藤敏幸 ということですから、別段、大阪の府知事が声を上げるということも含めまして、ある意味で今日的にそういう状況になったということですから、解決させていく工夫をする必要があると思います。

 様々な改善策が提言されていますけれども、例えば、1.地方公共団体に対する説明責任を徹底するという観点から、国直轄事業負担金の内容の積極的公開を進めるとか、あるいは、2.国直轄事業と国庫補助事業の区分を含め、それらの対象となる経費の内訳や範囲について均衡の取れたものに見直すなど、いろいろ考えますけれども、究極的には、地方財政法を改正し、計画段階における国と地方との事前の合意のルールを明確にすることが必要ではないでしょうか。あるいは、地方側の不満の大きい事業開始後の追加負担ですが、例えば、この追加負担に対しては一定の制限をして地方の負担を軽くするなどの措置が必要ではないかと思いますけれども、今言われてすぐ答えが出るということではないかもしれませんけれども、方向としてはこういうふうなことをしっかり議論をして答えを出していかないと、今後各地方自治体からの問題提起は強烈に増えてくると思いますので、その辺のところをお考えをいただきたいと思います。

○鳩山邦夫・総務大臣 恐らく鉄道とか道路とか、河川も同じだろうと思いますけれども、明治から今日まで日本を考えれば、最初はすべて国が全部やったわけだろうと思うんですね。特に新幹線などというものは、今は地元負担が出てきておりますけれども、元々は国鉄が、全部国鉄だけで造ったものであるわけで、そういった意味で、だんだん地方の負担というものを求めるような形になってきたのは歴史の一つの流れかとは思うんですが、私、一番大事なことはやっぱり直轄事業の範囲を減らすことだと思っています。

 ですから、新直轄高速道路というのは、これは国がやらなければできないのかもしれない。ただ、河川なんかだって、二県にまたがれば全部直轄ということになっているかと思いますが、あらゆる直轄事業はこれから見直していって、見直して、できる限りその範囲を狭くして、できる限りそれが都道府県の事務事業権限になるようにすることが大事ではないかと。しかもまた、維持管理は補助国道、つまり、都道府県管理国道は維持管理は全部都道府県がやっているわけですけれども、直轄事業というか直轄国道で見れば五対5、5・5対4・5ですか、地方の負担が4・5もあるというのも、これは本当はおかしなことだろうと。

 そういう形で私は直轄事業の範囲を減らしていくのが一番大事だと思って、それが地方分権改革なんだと、こう申し上げておりますが、確かに事前協議が、つまり国と地方との計画段階における、先生御指摘の計画段階における事前協議が当然なされていなくちゃいけないのに、十分になされていないケースが随分あるようですね。一方的に通告のように説明だけして、はい、おしまい、あなたの負担はこれだけですというのでは、これはそんな直轄事業やんなくてもいいよって言いたくなる地方の気持ちがよく分かると。

 したがいまして、各府省に対して、直轄事業の実施については地方公共団体の事前協議を十分やるような、何かできればルール化するように要請をしているところでございます。

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4.政府の統計業務の改善

○加藤敏幸 納得ずくでやっぱりやるということが前提だと思います。

 さて次に、今日はちょっと駆け足で申し訳ございませんけれども、政府の統計業務について御質問いたします。なかなか、これは地味なテーマでありますから、国会で議論されることも余りありません。

 4月1日より新統計法が完全実施に移されることになりますと、いろいろと改善要請があった統計等について、私は少し前進をしていくんではないかと。特に、統計データの有効利用の促進につきましては、研究者などからの期待は高まっているということでございます。

 質問二つありましたけれども、一つにまとめまして。また、政府の統計機構は、社会経済情勢の変化に対応した有用で信頼できる統計を体系的に整備し、適時的確に提供するという目的を持っておられますけれども、しかし、総合研究開発機構に設置されている日本の統計制度に関する研究会によるエコノミストを対象としたアンケート調査では、家計調査関係では、個人消費の全体像を把握しにくいという意見があります。

 これは私、2007年12月の決算委員会で質問をした、貧困調査が1965年まで行われていたんですけれども、もうなくなっていると。この前、予算委員会で森ゆうこ議員がOECDとの関係で子供たちにおける貧困の問題を取り上げておりました。

 そういうようなことで、適宜国会で議論が必要となったときに、そういう統計が間に合いません、過去やっていませんということでは、議論のための統計、つまり意味がないということでございますので、そういうことを含めまして、今後、景気動向指数だとかいろいろな改善項目についてこれから統計担当の政策統括官を中心にいろいろ努力をしていっていただきたいと思いますので、今後の進むべき方向性や改善点、多少の現状の報告等いただきたいと思います。

○中田睦・総務省政策統括官・統計基準担当 今御指摘ございましたように、4月1日から新統計法が全面施行されます。この点につきましては、今御指摘ございましたように、統計データの有効利用ということが非常に大事だということで、新統計法では二つの制度が創設されてございます。

 一つは、オーダーメード集計というものでございまして、これは研究者の方などから個別のニーズに応じまして調査票を利用しまして統計を作っていくと、そういうふうに利用させていただくということでございます。二つ目は、匿名データの提供ということでございまして、これは調査票で特定の個人とか企業等が特定されないようにデータを加工いたしまして匿名化されたデータを提供していくと。こういう二つの制度がございまして、これらについては、現在、政省令等所要の準備を行いまして、さらにオーダーメードにつきましては、4月中にどういう統計が対応できるか、各省庁に決めるように要請をしております。また、匿名データにつきましては、これは総務省で所管をしております全国消費実態調査と四つの調査につきまして、既に統計委員会の答申もいただいて、提供できるよう準備を進めているところでございます。

○加藤敏幸 この統計というのは大変地味な業務でございますけれども、私ども国会で政策の議論をするときに、やっぱりよって立つ客観的なデータをどこに置くのかと、そのことがしっかりしないと、プラットホームがしっかりしないと、各会派によって自分たちだけのある認識に持つデータで主張し合っても、これは決着が付かないんです。大体会派の意見というのは決着が付かないんですけれども、やっぱり時には修正案だとか、歩み寄るということがこれから必要になってきたときに、納得し合うベースとしてしっかりとした国家統計、国全体で使いやすい、そういう意味で、私は、これから総務省がこれを担当されておりますので、やっぱりしっかりとやっていただきたいと、このようなことをお願いを申し上げたいと思います。

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5.政府調達における労務単価引き下げの問題

 さて、次に政府調達における労務単価引下げの問題という視点について少しお話をいただきたいと思います。

 今ワーキングプアだとか、1千万人を超える人たちが年収200万以下だとか、こういうことが出ており、なぜ内需主導型の経済でないのかと。これはもう働く人たちの賃金ががんがんがんがんデフレで下がって、物を買う金もないと、こういう状況が、ある種少子化の原因になったり、国全体としてなかなか経済がうまくいかないねということになっておるわけであります。それは、派遣の問題だとか雇用の形によって非常に低賃金労働者が増えたとか、そういうふうなことがいっぱいあるわけですが、一方、公共部門が調達をしている各種サービスだとかアウトソーシングしているこういう分野において、入札方式を取ったときに、本当にその業務委託をしたとか調達をした、そこに働く人たちの労働条件が、むしろワーキングプアを促進しておるのではないか、そういうことに輪を掛けているのではないかという問題提起が実はたくさんあるわけであります。

 地方公共団体自身が、事業の発注、民間への委託、アウトソーシングにおけるダンピング問題という、こういうふうな事態に直面をしているということがあると思います。

 ILO第94号条約、公契約の在り方というのがありますけれどもこれはまだ批准はされていないし、最低賃金だとかそういうようなことになるとこれは労働法の分野だからいわゆる地方自治体というよりも基準監督署マターではないかと、こういう議論になってなかなか解決にはいきにくいのでございます。

 しかし、私は公的機関が民間事業者などに発注するというときには、少なくとも労働者の基本的な権利を守り、一定の生活水準を維持させるような内容の条件を備えておかなければならないのではないか。率先して単価、人的な賃金を引き下げるような、そういう競争というようなものが行われたのでは何のための地方自治体なんだと。精いっぱい地域の経済の人件費単価を引き下げるというようなことの片棒を担いでいてはいけませんねということを申し上げておりましたけれども。そういうようなことで、恐らく自治体への指示だけではうまく改善には至らないのではないかと思います。

 労務ダンピングを防ぐ公契約の規制について大臣の見解を伺いたいと思います。

○鳩山邦夫・総務大臣 入札の問題というのは、ありとあらゆる場面で難しい問題を生むわけで、それは談合されて高く買わされては困るわけで、これは談合罪というちゃんと刑法が罪まで規定しているわけですが、逆に地方自治体が行政サービスを行う、これはアウトソーシングした場合に入札をする。実績つくりたいし何としてでも受注したいということでダンピングが行われると。それは単なる民間企業同士の関係ならまだしも、これは自治体の行政サービスが質が著しく低下をするということになる。そしてその労働条件の悪化という今のまさに雇用問題の大きな問題点も表に出てくるということで、やはりダンピング防止ということは考えなければいけないということで、ですから適切な予定価格というのがあるでしょうから、一定価格よりも安い場合にはその入札者の見積書などをよく点検をして、例えば労務単価が異常に安くなっているとか、こんな低価格では結局契約の内容に適合した履行はなされないだろうという判断で徹底して調査する低入札価格調査制度というのがあります。もう一つは、言わば最低制限価格制度で、これは単純ですが、予定価格があってある一定の価格以下のものは全部落札、落札って、落としてしまうというやり方もあるわけで、これらを使ってやらなければいけないと思っております。また、総合評価方式ということも、この総合評価方式はあくまでも競争入札であって随意契約ではないということを自治行政局長さんが一生懸命私に説明をしてくれているんですけれども、何かこの総合評価というとついかんぽの宿を思い出してしまいまして、だからそれは違うんだというので、いい総合評価方式の導入は積極的に進めたいと。疑惑いっぱいの公社や日本郵政の売却とは全く別に、正しい総合評価方式の導入はダンピング防止には意外と有効ではないかと、こう考えております。

○加藤敏幸 ここ5年間、いろいろございましたけれども、賃金デフレというものは大変国の経済を毀損すると。やはり雇用者所得が安定的に、そして将来に向かって改善されていくという、そういう状況の中で人は消費行動を一生懸命気持ちよくやると、こういう構造にしないと、国全体としての経済の基本、いわゆるベースができないということであります。

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6.総務省の行政評価業務の厳格化について

 さて最後に、行政評価につきましては先ほど大臣の方からも少しお答えがありました。行政監視委員会という委員会がございますから、ここでしっかりやるということでございますけれども、当然のことながら、各省庁が自らやる評価ということをベースにしながらも、相当総務省自身の行政管理に関する力を増やしていくということが必要なんではないかと思っています。

 具体的な問題提起はおいておきますけれども、民主党の中での議論では、例えばアメリカ合衆国の会計検査院、GAOのように行政の評価・監視機能は国会に置くべきだと、基本的にそういうふうな主張を持っておるわけですけれども、しかしそうはいっても、いきなりそこに行っても、ではだれがやるんだとか、そういうノウハウはだれが持っているんだとか、基本はやっぱり職人としての行政官、仕事にやっぱり没入しているそういう専門家自身がしっかりと、こうなるとこうなる、これはここにこういう問題が発生するぞという、そういう、日本でいえば物づくり日本といいますけれども、そういう仕事に熟練した人が本気になってそれを改善をしていくと、こういう部分がないと、いろいろ理屈を言っても、それをやっていく人がいなければどうにもならないというのも、やっぱり世の中のことだと思います。

 改革というのは、何かもうぐちゃぐちゃにして壊してしまえばいいということではなくて、今言ったような手だれを大切に、そしてそれを本当に急所に配置をしていく、これがだいご味ではないかと、このように思うわけでありますけれども、そういうようなことで、行政監視の今後の、総選挙がありますから、今後の今後のと言っても、やや話がちょっと希薄になるか分かりませんけれども、現職総務大臣としてこれに関して何か意欲があればいただきたいと思います。

○鳩山邦夫・総務大臣 私、たまたま初めて政府入りしたのが、当選三回のときに行政管理政務次官でございました。最後の行政管理政務次官です、その後総務庁になってしまいますので。私はそこで行政管理と行政当時は監察ですね、この両方を見ておりまして、行政管理というのはある意味で派手というか、権限がありますから、機構、定員の査定をします。しかしながら、実は行政当時の監察、今の評価というのは物すごく大事だということをそこで学んだわけでございまして、それはある意味でいえば、国会というところは行政のありようを決める法律を作るわけですから、最終の行政評価機関というのは国会なのかもしれませんが、やはり各省庁が自分で自己評価するものは甘いに決まっているわけですから、これをどうやって行政監察、評価によって問題点を洗い出していくかというのはとても大事なことでございまして、先ほど申し上げましたように、経済財政諮問会議の方から、こういう分野が重要だから行政評価しなさいよという指導、指導というのかな、要請も受けてやっているわけでございまして、今後ともに政策評価というものは最も重要な分野だという意識を持って仕事をしていきたいと思っております。

○加藤敏幸 終わります。ありがとうございました。