第171回通常国会 総務委員会(2009年6月25日)
NHK平成19年度決算への質問
本日(25日)の総務委員会で、NHKの平成19年度決算を中心に質問しました。また、この日の委員会は公共放送機関としての放送・番組の公正性・中立性に関する集中審議も兼ねており、70分間にわたりNHKの役員に対して質疑を行いました。まず、NHKの放送に関し、前小沢民主党代表秘書の大久保被告に関する報道に問題があったとして、被疑者に対する報道のあり方についてNHKの基本姿勢を問い質問しました。また、決算に関しては、有価証券など流動資産の規模や運用の問題、青少年向け番組の充実、子会社を含めたグループとして経営力の強化などについてもNHKの対応を確認しました。なお、決算に関しては、全会一致でこれを承認しました。
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| 【質問項目】 |
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○加藤敏幸 民主党・新緑風会・国民新・日本の加藤でございます。
NHK19年度決算に関する質問並びにNHKの放送、報道の自律性あるいは中立性についての集中的審議と、こういう位置付けで本日時間を取っていただきましたので、それに関連して幾つか質問をさせていただきたいと、このように思います。
最初に、報道の在り方の方から幾つか御質問をしたいと思います。
この問題は、NHK予算の審議のときに、長谷川委員それから行田委員、お二方からいろいろ質疑がなされたということがございました。時間の関係もありましてまだまだ質問をしたいというような内容であったと思いますので、その流れを追いながら、また、個々の事象にこだわるということだけでなくて、少しく全体的な立場でいろいろと質問あるいは御意見もお伺いしたいと、このように思います。
NHKは公共放送機関として正確また公正な、あるいは公平な報道を行うということは、放送法あるいは独自のガイドラインによっていろいろと責務が明確にされていると。しかし、西松建設の政治献金問題に関する報道の一部について、その正確性あるいは不偏不党性という原則から少し離れたのではないかという指摘があったと、これが発端でございます。また、本件が、御存じのとおり、私どもを含めまして社会的にも大変大きな影響を与えた、大変甚大な影響を与えたという、そういう状況を含めまして、本日この問題を取り上げているということでございます。
既に、先ほど申しましたように両委員の質問がなされておりますので、細かい経過は省略をさせていただきましてストレートに申し上げますと、問題になった報道は、大久保秘書が起訴された3月24日の翌25日の深夜午前零時のニュースだったと、このように思っています。民主党の小沢代表の秘書が東京地検特捜部の調べに対し、西松建設からの献金だと認識していたと、収支報告書へのうその記載を認める供述をしていることが関係者への取材で分かりましたという、こういう報道がございました。このニュースは、NHKのみならず、毎日新聞、TBSを除く主要マスコミのすべてが報道をいたしました。
ただ、本件に関しましては、その3日後でありますけれども、3月27日、大久保秘書の弁護人が司法記者クラブにおきまして、大久保氏が起訴事実を大筋認めているとの報道については弁護士らの認識は全く異なっております、そして今後は十分な取材に基づき客観的かつ公正な報道を行っていただきますよう申し入れますというコメントを出されたと、このような経過になります。
また、本件に関しましては衆議院におきまして、原口議員の質問において法務省は、検察のリークはないと、このようにはっきりと答弁されており、一方の当事者の被疑者と弁護人は起訴事実を認める発言はしていないということ、このことも明確に申しておりますので、結局は、報道各社が検察の特別のルートで供述調書のコピーなどを手に入れられたのか、あるいはある種の予断を持って報道されたのか、そのどちらかではないのかと、普通の人間はそのように思うということでございます。
また、マスコミ各社が一斉に報道したという、これもまたある意味で、経過から申しますと不思議な事象が起こっているということであります。先週19日に開かれた西松建設の前社長の国沢被告に対する公判では、検察側が大久保秘書の供述調書を朗読しておりますけれども、内容から判断すれば、やはり供述調書が事前に漏れたか、あるいはその内容について意識的に漏らされたのではないか、このように考えるしかないと、こういうふうに思っています。
さて、NHKでは、日向放送総局長がこれまで、取材によって得られた確かな情報に基づいて報道をしましたと、取材源は明らかにできないと、このように繰り返されているだけでありますけれども、これだけ委員会において取り上げられた言わば政治問題化した報道について、NHKは実際にこの報道の適切性について、いわゆる内部における放送現場の倫理に関する委員会など設置されていると思いますけれども、内部的に検証されたのかどうか、そこをまずお伺いしたいと思います。
○今井環 日本放送協会理事 今回の事件も含めまして、NHKは事実を正確に報道するために日々十分な取材を行っているところでございます。取材によって把握した事実に基づいて正確な報道をすることを心掛けております。
今回の件について局内の放送倫理委員会などで個別に議論はしておりませんけれども、正確な報道、公平公正に努める報道の在り方については活発な議論を続けているところでございます。
○加藤敏幸 今日は、何が何でも認めさせてやるぞとか、そういう姿勢ではございません。ただ、余りにも木で鼻をくくったような答弁に終始されますと、まあまあ余り議論が前に進まないというのもこれは問題があると思いますので、できるだけ率直に答えていただきたいと思うんです。
そこで、この事件の基本は、逮捕された本人がどう供述するかというのが第一級の証拠なんです。そういうふうにNHKの皆さん方も解説をしておられましたよね、新聞見てもそうでしたね。したがって、そういう、まさに供述こそがキーポイントだというこの種の事件において、関係者の取材で分かった、供述を始めたと。しかし、弁護人は、それは違うと。また、密室ですから、身柄を拘束されていますから、本人か接見した弁護人か取調べに当たった検察あるいはその上司、ここしか事実を知ることはできないんです。そしてまた、法務委員会においては、検察はリークしていないと、リークしているということになるとこれまた大問題ですけれども、という状況の中で、皆さん方が取材源を秘匿する、ニュースソースは明かせないということは分かります。分かりますけれども、このことを目の前にしたときに、じゃ、だれがうそをついているんだということにもなるし、検察は一切そういうことはしていませんと。しかし、相当のところが同時に報道しているわけですから、そこの経過について、質問を変えますけれども、こういう真実を知る人が数人しかいないという状況についての取材を総合的にやるというのは、どういう種類の取材をされて、自信を持ってそうだと言われたのかという点についてはどうですか。
○今井環 日本放送協会理事 この件も含めまして、こういう事件報道といいますのは、もうあらゆるところ、もちろん捜査当局もそうでございますし、弁護団もそうですし、その事件にかかわるであろうと思われる方面、各種方面を取材をして情報を集め、事実を確認した上で報道しております。
個別の取材源については放送倫理上、申し訳ありませんが申し上げられませんけれども、そういう各方面への取材を総合してニュースを出しているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○加藤敏幸 前回も与党の議員さんの質問で似たようなことが、七回繰り返されたんですか、そういうことがあって、余り時間を費やすことはしませんけれども、本件は取りあえずここで止めます、質問は。
もう一度翻って同様のことをお聞きしたいと思いますけれども、それでは、弁護士のコメントが行われた3月27日のこの内容について、いわゆる、そういうことはしていませんと、このことについてはNHKさんは報道されましたか。
○今井環 日本放送協会理事 3月27日の大久保秘書の弁護士のコメントについては放送はしておりませんけれども、2日後の3月29日に放送しました日曜討論の中で、民主党の当時の鳩山幹事長が発言をこれに関連してされています。起訴された小沢氏の公設秘書が容疑を認める発言をし始めているという報道は事実ではないという御発言でございました。日曜討論、生放送でございますので、当然放送されておりますし、この発言につきましては、当日正午のニュースでそのままお伝えしています。また、大久保秘書の保釈後のコメントについては、当日、5月26日ですけれども、夜のニュースで放送しておりますほか、西松建設の前の社長の初公判の後、大久保秘書の弁護団のコメントにつきましても、当日のニュースで丁寧に放送しております。
一連のニュース報道の中で公平公正は確保されていると考えておりまして、個別に何をどのような形で放送するかにつきましてはNHKの編集権の問題であるというふうに考えております。
○加藤敏幸 3月27日の極めて重要なこの弁護側の発言についてはなぜ報道しなかったんですかと。いやいや、2日後に民主党の幹事長の鳩山さんが日曜討論でそういうことを言うからもうこれは言わなくてもいいと、そういう判断だったんですか。
○今井環 日本放送協会理事 そういう特に理由があったわけではございませんで、意図的に放送しなかったというようなことではございませんで、こうしたコメントにつきましては、新聞の記事と違いまして、テレビのニュースの場合といいますのは、それなりに時間を取って出さなければいけません。そのために、関連の原稿という形で出すことは可能でありましたけれども、その当日は、それに関連する本記的なものがなかったものですからあえて原稿にしなかったという事情でございます。
○加藤敏幸 それは、今ちょっと技術的に報道しにくい事態があったということをお答えになったんですが、では、それが可能であれば放送はした可能性が高いと、そういうことですか。
○今井環 日本放送協会理事 当然そうでございます。
○加藤敏幸 無理にしなかったということじゃなくて、非常に残念に思っていると、もしそういう技術的なことを含めてあれば、今思えばしておけばよかったと、それに近いかも分かりません。これは誘導尋問だと言われるといけませんけれども。
そこは少しおいておきまして、さて、ではお伺いしますけれども、放送法三条の二、どういう規定ですか。──私も今ぱっと言ったところでね。やっぱり報道については、双方の意見を公平公正に報道すべきだというのが基本的な精神であり、これは前回の行田委員が指摘したポイントなんですよね。したがって、先ほど言ったように、この報道の基本は、検察側と被告という、言わば近代における裁判の基本原則は、推定無罪の上に立って国家権力をもってその罪を適切に追及していくというこの構造の中で、一方の意見を言うならば一方の意見についてのその反対コメントをしっかりと報道することによって公正公平という報道は成り立っていると。
これは反論しますか。
○今井環 日本放送協会理事 そのとおりだと思いますし、そういう意味で3月27日の大久保秘書の弁護士のコメントについては放送しておりませんけれども、その後の鳩山幹事長の御発言、ニュースでも取り上げておりますし、一連のニュース報道の中でそういった双方の主張が示されるという形で報道されているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○加藤敏幸 これも取りあえず今少し止めて、次に、一般論として質問をいたしますけれども。
小さいときから新聞を読んでおりまして、字が読めるようになってからですけど、それで、小学生のころ、一番最後におわびと訂正という小さな欄があったんです。子供心に、ちょっと人間が曲がっておるものですから結構それを読んだりしておったんですけれども、何日に報道の何々何々についてこうだと書かれているから、母親に、3日前の新聞どこ行ったと、あんなもの、かまどで燃やしたよと。だから、結局それを見たときには何をどう報道、訂正しているのか分からないという経験があって、マジで結構ずるいなと、何でこんな後ろに小さくするんでしょうかと。あるいはテレビも、最近は少し反省をしておられますけれども、間違った報道が仮にあった場合の訂正の仕方ということについては、やっぱり十分考えていかなきゃいけない。特に人権にかかわる問題を起こすときには、訂正報道こそ誠実に、あるいは徹底してやるということをもって報道というものが世間に認められる立場になるんじゃないかと、このように思うわけであります。
そこで、放送の訂正又は取消しに関して四条委員会が対応するとNHKの場合に言われていますけれども、このような誤報があった場合の訂正の仕方についてNHKさんとしてはどう考えているのか、あるいは現実、事例があったらこうしていますということがあればお話しいただきたいと思います。
○今井環 日本放送協会理事 NHKは、放送の内容に誤りがあったことが判明したときにはできるだけ速やかに最もふさわしい方法それから放送枠で訂正を行うということでございまして、残念ではございますけれども、日々のニュースの中でも時々言葉を間違えたり読み方を間違えたりということもございます。そういう場合は直ちに訂正を行うということを実施しております。
それから、放送法第四条第一項に言う訂正又は取消しの放送の請求があった場合でございますけれども、原則としてNHK内に設置した四条委員会で取り扱い、訂正又は取消しの放送が必要か否かについて公正な議論を行うことを定めております。そして、視聴者の納得を得られるように適切な対応に万全を期しております。
○加藤敏幸 余り具体的には分からないですけれども、訂正といっても、最近のアナウンサーの日本語の使い方というのは、よく間違いますね。もう間違いを訂正するタイミングがない、連打だと。別にNHKさんだけのことじゃないですけれども、そういう事態が増えていますけれども、そういう間違いと先ほど私が申し上げたことの間違いとはやっぱり違うと思うんです、質が。
だから、最初言ったように、何が何でもこの場で言わせてやろうとかそんな気はないんです。元々そういう性格でもないし。だから、そこは安心してお答えをしていただきたいんですけれども、ここは会長にも、やはり誤報と、言い間違いとか例えば写真を間違えたとかそういうことと、まさに人権に直結する間違ったときのやっぱり訂正の仕方というのは違うと思うんですよね。だから、そのことについても御見解をいただきたいんですけど、今すぐというと誤報になるといけませんので、済みません、少しこの後でいただきたいと思います。
そこで、それまでの間、お手元に資料を二種類お配りさせていただいています。
一枚は、「公正な裁判と報道」ということで、これは講演より抜粋をしたということでBPOの冊子からこれを抜きましたので、これは最高裁事務総局刑事局総括参事官平木正洋さんという方がこういうふうに紙にすることも前提として講演されたと、このように思っております。ただし、御本人は私見として講演をされたということであります。
それからもう一枚は、「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」。これは、去年の1月16日付け、日本新聞協会、こちらがまとめられたということでございます。
実は、裁判員制度を導入するときに、いわゆる報道に関して幾つか議論が起こったということでありました。これはもう皆さん御存じのとおりであります。報道が過熱化すると裁判員の方に予断をもたらすということをいかに防止するかということから、相当報道規制的なニュアンスがありましたけれども、皆さん方の反対を含めまして、世論も支持があって、少しそこは規制の方を強化する方向を緩めたということではございます。
さて、平木正洋さんが、これは一応最高裁のある種の見解だと、こういう理解でいいと思うんですけれども、一、捜査機関から取得した情報の報道。裁判員制度下では、公正な裁判の確保の観点から、捜査機関が取得した情報をあたかも真実であるかのように報道することには問題があろうと。すべて問題だとは言わないですね、問題がある可能性が多いという趣旨だというふうに思いますけれども、こういうふうなこと。
二つ目は、被疑者の犯行自白の報道についてということで、自白が任意になされたものかどうか、信用できるものかどうか分からない段階で、被疑者が自白していることやその内容を報道することには、一般市民に対し被疑者イコール犯人であるとの強い予断を生じさせて、自白について厳格な証拠能力の要件を定めた刑事訴訟法の趣旨を失わせ、証拠に基づく事実と報道された事実との区別に慣れていない裁判員が参加する裁判員制度においては、推定無罪の原則を実質的に無意味にするものとすることにつながるのではないかと心配していると、こういう心配をされているということで、こういうふうなことを主張されていると。
それから、新聞協会の方は、前文は先ほど言った報道規制の在り方に対する協会としての考え方を言われておりますけれども、下向きの黒三角印、捜査段階の供述の報道に当たっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者、視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮をする。二つ目は、プロフィールだとか成育だとか、御近所の人がこんなまじめな人がとか、そういうことをどんどんどんどん流すこと自体もやはり予断を形成するということから、新聞協会はこのような内部のルールをつくっておられると、こういうことでございます。
さて、最初に、これは裁判員制度ということを前提にまとめられておりますけれども、NHKさんとして、この平木参事官の言われている第一項、第二項について、どうお考えになりますか。
○今井環 日本放送協会理事 この裁判員制度の開始を前提とせず、NHKといたしましては、日々の取材や番組制作に当たっての基本姿勢をまとめました新放送ガイドラインの中で、やはり同様の、逮捕されたり起訴されたりした人物も有罪が確定するまでは法律的には無罪と推定される、このため、逮捕段階や裁判中は犯人と決め付けるような報道はしないということを明記しておりまして、原則、こうした方針に基づいて報道をしているところでございます。
○加藤敏幸 それでは、捜査当局の発言、あるいはリークと言われているような皆さん方が夜回りして得た情報とか、そういうことの扱いについてはどう考えます。
○今井環 日本放送協会理事 こうした取材に基づく情報、確認に確認を重ねて事実であろうと判断した場合には報道することがございます。
○加藤敏幸 私もたまに取材対象になることがありますけれども、よく来るのは、いわゆる裏取りで聞かれるわけですよね。もう何も返事しなければイエスだと、拷問みたいな仕掛けがありますけれども。そういうふうなことの中で、やっぱり一か所だけじゃなくて、取材源一つじゃなくて、では反対がどうだとか、その上司がどうだとか同僚はどうだとか、そういう裏取りを固めていって報道をしていくというのがこれは伝統的な方法だし、やっぱりそこはしっかりやらにゃいかんということですよね。
だから、質問しているのは、皆さん方がよくリークという言葉を使われるけれども、漏れているのか漏らしているのか。ここは、報道の皆さん方は当局の一員じゃないんですから、なぜ報道の自由という、今でいえば政治家を上回る権力だと言われているそういうものを世の中で認められているのか。そのときに、やっぱり人権も守るし、世の社会正義だとかそういう価値観を守るという強い使命と立場があるから、許されている、皆さん方に与えられているし、期待もされていると、こういうことだと思います。
そのことからいって、先ほどの大久保被告の供述を始めた云々という報道については、正直言って、やっぱり捜査当局のリークに近い形で得た情報がメーンであったと、このように思うんですよ。おまえが勝手に思っているだけだと、そういうふうに言われるかも分かりませんけれども、多分、多くの方はそう思っていると。
だから、私が申し上げたいのは、ある部分、それを報道の情報として採用される、したいと。まさに黙秘を続ける被疑者の場合は何も出てきませんから、そういうようなことの、皆さん方がそういう思いになるかも分からないけれども、皆さん方自身が自分たちで決めているルール、ガイドにのっとってしっかりとやっていくということを一番申し上げたいんですよ。
その件についてはどうですか。
○今井環 日本放送協会理事 今先生お話ございましたけれども、取材をしている記者といいますのは、漏らしてくれることを期待して取材をしているわけではございませんで、やはり各社との競争という面もございますし、何とか情報を得ようとして様々な方面、取材をするものでございます。
その上で、やはり今御指摘のとおり、様々な配慮、人権ですとか様々な配慮というのは当然必要だろうと思いますし、得られた情報を基にそういったことも考慮し、配慮しながら報道をしていくことは当然だろうというふうに思います。
○加藤敏幸 答弁について私が満足するとかしないとか、そういうことではございませんけれども、なかなかこれ以上言いにくいということもあるかも分かりません。
ただし、あの大久保被告の供述が始まった云々という報道については、毎日新聞さんとTBSさんは報道していないんですよね。それから、他の報道機関は、3月27日の弁護士のコメントについてはやっぱり一様に扱っているんですよね。それは、先ほど言った一方的な報道の偏ったあれじゃなくて、Aといえば必ず反A、こちらも取らないといけないと、そういうふうなまさに基本的動作をやった報道機関もあるということの中で、私が一番信頼し、一番愛しているNHKにおいてどうだったのかということで、非常に悲しいと、そういうことであります。まあまあ、これ以上のことは。
さて、そういうことで、先ほど申し上げましたことに、会長にお答えいただきたいんですけれども、誤報、仮に、NHKはないと信じていますけれども、人権にかかわる誤報があったと、そういう場合の対応策としては基本的にどうお考えですか。
○福地茂雄 日本放送協会会長 誤報があった場合には当然、公共放送でなくてもそうだと思いますが、公共放送として当然きっちりとこれは訂正すべきだというふうに考えます。
以上です。
○加藤敏幸 せっかく余裕の時間を差し上げたので、もう少しと思ったんですけれども。
さて、次に放送の独立性とBPOの意見ということで、これもこの総務委員会で昨年から問題になって、理事会でも少し議論をした内容であります。
昨年6月10日、当委員会におけるNHK決算審議において、私は国会が個別の番組の内容について立ち入ることの是非について質問をし、当時の高嶋委員長より委員長見解なるものが出されました。その趣旨は、国会における個別の放送番組に対する発言は、その内容が番組編成権の干渉に及んだり、放送番組編集の自由を阻害するおそれのないものでなければならないというものでありました。
この委員長見解を発表するまでの経過といたしましては、本委員会において、昨年春に放送されたNHKスペシャル「日本の社会保障が危ない」について、自民党の委員より、取材、編集において政治的中立性が損なわれたのではないかとの指摘があり、この質問の是非をめぐり理事会を含め議論になったために、理事会の協議を経てこの委員長見解が出されたということでございます。
そこで、現在まで、この番組編集権の自由の問題、あるいは政治からの独立、中立性をめぐって大きな政治問題、社会問題となってきましたのが、2001年1月にNHK教育テレビで放映されたETV2001「シリーズ戦争をどう裁くか 第二回問われる戦時性暴力」であります。つまり、この番組の編集、放映に政治的な介入があったのかどうか、そこで放送の自律自主性が損なわれたのではないかという問題でありました。
この問題に関しましては、第三者的、客観的な立場からBPOが4月28日に意見書をまとめられ、本日は、要請をいたしましたけれども、ちょっと日程が合わないということでBPOの出席をいただけなかったんでありますけれども、この意見書の内容と説明的部分、これは省略させていただきますけれども、要は、番組制作に当たる職員が政治家と会い、放送前に番組についてしゃべったり意見を聞くことがあってはならないと厳しく指摘をされております。
この意見書に対してNHKは、4月28日、5月14日、そして6月4日と3回にわたりコメント、見解を出されております。これらのコメントでは、BPOの意見書に対して、全体的には真摯に受け止められておりますけれども、なおも幾つかの疑問点を逆に出されております。
本日はこの疑問点をめぐって議論してみたいという思いもありますけれども、これを始めたのでは早急に結論は出る話ではございませんので、本日は、NHKの見解に書かれているように、放送の自主自律を貫く重要性とともに、仮にも視聴者に自主自律に対する疑念を持たれることがあってはならないと改めて深く認識していると、この姿勢を今後とも貫いてほしい、こう思っておりますので、その意思を再度この場で明らかにしていただきたいということと、NHKとしての御意見があればお伺いをしたいということでございます。
○日向英実 日本放送協会理事君 この番組につきましては、これまでずっと申し上げておりますけれども、NHKが自律した立場で自らの編集判断に基づいて制作したもので、国会議員の意図をそんたくして内容を改編したりとか、そういう事実はございません。
ただ、今もお話がありましたけれども、今回のBPOの委員会の意見の中で、当時の放送総局長、それから総合企画室の担当局長が事前に面談したということについて、自主自律を危うくし視聴者に重大な疑念を抱かせる行為であったというふうに御指摘がありました。これについては真摯に受け止めております。
NHKでは、番組制作部門の担当者が放送前に個別具体的な番組の内容を説明するというようなことはやっておりません。これからももちろん行うことはございません。
また、委員会の意見で指摘された国会対応の窓口とそれから放送・制作現場との組織的な分離については既にそのようになっております。
それから、NHKとしては、今回の委員長意見については、放送関係の部局長でつくる放送倫理委員会、それから現場の担当者で構成する放送倫理連絡会等を通じて職員への周知を行っております。とりわけ、自主自律の重要性については改めて役職員一人一人に徹底を図っていきたいというふうに思っております。
○加藤敏幸 この手の問題は堂々と議論をどんどんしていく必要があると思うんです。ある種、積み重ねが報道の公正性をつくり上げていく。これは皆さん方も神様じゃないし、私どもも完全な人間じゃないし、世の中みんな不完全な人間が集まってやっておるわけですから。そういうような意味で、やっぱりみんなでつくり上げていくという、そういう姿勢で対応していただきたいし、言いたいこともあれば受け入れるべきところもあるということであります。
そこで、先ほど担当者が説明するときに、やっぱりそれぞれ役割もあるしということで、それなりに明確な内部の基準を作っていきたいと。これはこれで結構なんですけれども、解説記事の中でよく与党キャップに解説をお願いしますとかいうのありますよね。与党キャップという顔をした人が出てきて、それで何となくこんなふうでああだとか、与党のことですから余り深くは言いませんけれども、よそのことなので。また、当然野党キャップという方がおられるんですよね。この与党キャップという人はやっぱり与党担当ということでしょう。ずうっと与党を担当しないと、それは与党の先生方も信用しませんよね。去年まで民主党に入り浸っていたという人が来て、おまえ、難しいこと教えたろかということにはならないので、顔洗って出直してこいということでしょう。人間の社会そうですよ。
申し上げたいのは、これはNHKさんだけじゃないけれども、やっぱり取材対象と取材者というものの信頼関係と、もう一つは癒着と紙一重じゃないですか。そして、やっぱり出世するのは与党スタッフなんですよ。そうでしょう。野党スタッフというのは、野党担当というのはなかなか出世できないというのは、長い間一党が政権を持っていたという、これ仕方がないですよ。その立場だったら、政権取る気があるのかないのか分からないような野党でずうっとやっている人を、それはなかなか報道の中枢に座らすわけにはいかないと。
ただ、申し上げたいのは、先ほどの報道、それから各種番組について、申し訳ないですけれども、議員である私たちは非常に神経質に今テレビ番組見ています。民放の某番組なんかは嫌になるほど真剣に見て、真剣に見ることがやっぱり影響を受けるということで、我々も反省せないかんと思っているんですよ。これはもう与党の議員も野党の議員もある種そういう思いは持っていますよ。
そこで申し上げたいんですけれども、やっぱり取材する人たちの育て方、NHKの組合の皆さん方、私、昔よく付き合っていましたから、そういうふうに公平な取材を成立させるということをもう頭に置いて、ひょっとしたら政権交代が起こるか分からないというこの新しい時代に対した新聞記者あるいはNHK記者、取材記者、デスク、それの育成の仕方と体制を今真剣に考えるべきときに来ているんじゃないですか。いや、もうそんなことは真剣に考えているよという某新聞社もありました、相当言いましたから。そこのところはどうなんでしょうか、NHKさんは。
○今井環 日本放送協会理事 先生御指摘の与党担当、野党担当、与党の方が偉くなるというようなことは決してございませんで、与党を担当したり野党を担当したり、入れ替わりになっております。そういう仕組みにしております。実際私も政治部記者をしておりましたけれども、与党も担当しましたけれども野党も担当しております。
それから、人材の育成につきましては、とにかくジャーナリストとして公平公正に対する強い意識が求められるという指摘はごもっともでありますし、そうした人材育成に努めているところでございます。
先ほども申しました新放送ガイドラインというものをNHKの放送に携わる者すべてに配付し、放送倫理の向上を図っております。それから、今年度スタートいたしました三か年計画でも、高い志と倫理観を持つ公共放送の担い手のプロフェッショナルを育てる改革に取り組むということで、ジャーナリズムの役割を全うすることをうたっておりまして、放送倫理をめぐる研修ですとか、それから中堅職員のテーマ別専門研修などを繰り返して人材育成に努めているところでございます。
○加藤敏幸 与党も野党もないと。ちょっと現場とは違うような雰囲気がありますけれども、是非とも新しい時代に向けて本当の意味での公正公平を全うできるような工夫もしてほしいということで、これは要望としておきたいと思います。
以上で放送の公平性にかかわる質疑はこの程度で終わりたいと思います。更にという期待の目線もありますけれども、本日は決算も大切ですので、そちらの方に移らせていただきます。
さて、NHKの19年度決算にかかわる課題でございますけれども、この数年の間、NHK職員にかかわる、あるいは職員が絡んだ様々な不祥事が起き、それに連動して受信料の不払という事態が発生をしました。このため、NHKは組織改革と経営改革を迫られることになりました。そして、経営委員会の主導によって様々な改革案が立案され、内部でも相当激しい議論をしながら、いいことはやろうということで、NHK内部でその実践が積み重ねられて今日に至っていると思います。
そこで、まず会長にお伺いしたいんですけれども、アサヒビール御出身でしたか、前歴は。ごめんなさい、私も時々楽しむもので。
民間の企業経営者として、株主総会というのがあると思うんです。やはり株主総会が持つ位置付けなりあるいはプレッシャーというものがあったと思うんですよね。人事案件だとか決算だとか、あるいは剰余金処分とか役員報酬だとか、まあいろいろあったと思うんですよ。
そこで、NHKについての株主総会というのは一体何なんですかと、どこにそういうものがあるのかということについて、会長、いや、株主総会もなくて楽だなと思っていらっしゃるのか、そこはどうなんでしょうか。
○福地茂雄 日本放送協会会長 アサヒビールからNHKに参りまして、いろんな方からどこが違うんですかというふうな質問をよく受けました。私は、前職時代に自分でビールを造っておったわけでもないし、自分でビールを売っておったわけではありません。NHKに参りましても、自分で放送をつくる、自分で受信料の収納をして歩くわけでもない。やっぱりアサヒビールの場合には社員に、NHKの場合は職員にビビッドに動いてもらう、そして所定の目的を、目標を達成してもらうというのが趣旨です。そのときの軸足は、私は前職の時代にはお客様目線ということを言っておりました。今は視聴者目線と言っております。それだけの違いで、BツーCの世界ですから変わりはありませんということを申してきました。
確かにNHKに参りまして株主総会というものはございませんが、その代わり、この場ではございませんが、予算につきましても決算につきましても、国会のこういった場できっちりと御報告申し上げる、それが公共放送としての私どもの責務と思っております。その面での緊張感は、前職の場合も今もいささかも変わりございません。
以上でございます。
○加藤敏幸 私どももより良き株主という立場で、国民の声を代表して、時には厳しく、また厳しく質問をしていきたいと思います。
それでは、その意味で、会長のお立場で、この19年度決算あるいは業務の中身を御覧になってどのように総括されますか。簡単にお願いします。
○福地茂雄 日本放送協会会長 19年度という年度でございますが、平成18年、19年、20年というのが、これは第一回の中期計画で三か年計画でございます。その三か年計画の2年度に当たったわけでございますが、この三か年計画の2年度という位置付けを踏まえまして、業務全般にわたりまして効率的な運営を進めていく。とりわけ、不祥事によりまして受信料が大幅に減少した直後でございました。一層効率的な経営ということが求められた時期でございました。
そういった効率的な運営を図りつつ、事業計画、決められた事業計画を着実に実行していくということでございまして、その結果でございますけれども、事業収入が、これは受信料の契約が22万件増加したという大変有り難い状況になりまして、これによりまして、予算に対して収納が205億円上回りました。一方、事業支出の方は、これは三か年にわたりまして1200人の人間の整理とかいろいろございまして、そういったこともございましたし、経費の支出を抑えまして、事業支出が、放送サービスの効果的な、効率的な事業運営によりまして、予算に比べまして129億円、逆にこれは圧縮することができました。その結果、この事業収支差金が375億円となりまして、予算に比べまして334億円の収支改善を図ることができました。
具体的な取組といたしましては、放送サービスでは、NHKだからできる放送、それから放送の公共的役割を追求いたしまして、質の高い番組を充実するとともに、参議院選挙とかあるいは新潟県の中越沖地震などで迅速的確な報道を行ったということがございます。
また、国際放送では、テレビ国際放送の英語化率を91%、現在は100%でございますけれども、こういったことで、外国人向けの情報発信力を強化いたした年でもあります。
地上デジタルテレビ放送につきましては、中継局とか送出設備の整備を進めることによりまして、19年度末の視聴可能区域を全世帯の93%カバー、今日では97%でございます、こういった事業計画を着実に進めることができました。
ただ、大変残念なことには、20年1月に職員の株インサイダー取引が発覚をいたしまして、私が会長に就任した直前でございまして、すぐに第三者委員会を設置をいたしまして、徹底した事実解明を行いますとともに、再発防止策を講じるなど様々な取組を行ってまいりました。
今後も、公共放送人として、より高い倫理観とコンプライアンス意識を根付かせるように努力をしてまいる所存でございます。
以上でございます。
○加藤敏幸 簡潔にとお願いしたのは、多分そういう紙をお読みになられるんじゃないかなと。むしろ、民間の経営を背景にしてずばっずばっと、そういう、さすがだなという、19年度のことですから、少しいただきたかったんですけれども、また機会があれば。
そういう民間を経験した会長さんが、やっぱりちょっと育ちの違うNHKの皆さん方に対して、味の違う、ホップの効いたばっばっとした、そういう寸評をもうちょっと大事にしていただければというふうに思いますので。じゃ、どうぞ。
○福地茂雄 日本放送協会会長 甚だ御期待に沿えなくて申し訳ございませんが、実は19年度は私は最後の二か月半しか関与しておりません。業績が良かったのは前会長の成果でございまして、ただ、20年度につきましては丸々と関与いたしておりますので、20年度の決算のときには自分の言葉で十分にしゃべらせていただきたいと思います。
以上でございます。
○加藤敏幸 私が質問できるかどうか分かりませんけれども、よろしくお願いします。
大臣につきましては、恐らく、先ほど一応問題ないということをいただきましたので、それで総務大臣の見解だということで受け止めさせていただきます。
そこで、19年度決算で一つ気になるのは、連結決算のキャッシュフロー計算書で有価証券の取得を前年度に比べ大幅に増やしておられること、また、この年度は有価証券の売却も前年度の倍以上されておりますけれども、こういった投資活動は経常事業外収入を増やすには意味がありますけれども、まあ金融危機のようなことがあると大変だなと、こんなふうに思っております。幸いにも、NHKの場合には債券で安全運用をしているということで、かの金融危機からは逃れられたと、こんなふうに思っています。
ただ、約1千億円もの資金の運用が余資として、余った資金としてこういう運用をされているのかどうか、この辺のところはいかがな考え方かなと、こう思っていますので、この辺りはどうお考えでしょうか。
○金田新 日本放送協会専務理事 御指摘の点は、19年度におきますキャッシュフロー計算書、有価証券の取得として949億円の計上をさせていただいています。これは前年度に比べまして621億円の増加となっております。御指摘のとおりであります。その621億円のうち、実は450億円でございますが、日本公認会計士協会の金融商品会計に関する実務指針というものが出まして、これに従いまして会計方針を変え、従来、譲渡性預金を現預金に計上していたものを有価証券に移したと、その事情によります。これは、売却の方も事情は同じでございます。
御指摘のように、NHKにおきます資金の運用といいますのは安全性を基本としておりまして、取得した有価証券は国債や政府保証債など非常に安全性の高いものに限定しております。現在の状況でございますが、21年3月末現在でございますが、保有している有価証券を時価評価いたしますと、31億円の評価益となっております。
以上でございます。
○加藤敏幸 間違いなく運用できているということと同時に、どのぐらいの余裕資金を持つのがNHKという事業体の性格と経営的な視点から妥当なのかということについて検討していただきたいということなんです。
皆さん方は、視聴料というものは法律に基づいて徴収できるという立場なんですよ。民間の企業が持っている不安定性ということからいくと極めて恵まれている。そういう状況の中でどのぐらいの余分のお金を持つのか、そして、それはどういう性格なのかということで、貸倒れ対応金とかそういうことではなくて、やっぱりNHKさんの置かれている環境の中で、資金の活用についてはもっともっと有効活用の道もあるのではないかという意見を申し添えまして。
次に、業務報告書に関する監事の意見書の中でも指摘されています課題ですけれども、総合テレビ接触者率の低下傾向を踏まえた若年層を含む幅広い視聴者層に支持される番組の積極的編成という課題、これへの対応です。
若い人たちは見ておらんよと、なかなか、NHK固いから、そういう指摘もあるし、データも出ておるんでしょうね。しかし、だからといって、やけにお笑い的番組に走り過ぎるのも何かなと。民放とはまた違う性格でしょと。そこは現場の皆さん方は悩んでおられるけれども、やっぱりNHKが持つ、古くさいけれども権威とか品格、今品格がはやっていますけれども、そういう視点から余り若者番組のところを何かお笑い中心で、そういうことにしてほしくないなという思いはあるんです。この辺のところはどういうお考えでしょうか。
○日向英実 日本放送協会理事君 今、お笑い中心というお話がありましたけれども、21年度の番組改定でいいますと、そうしたいわゆるお笑い番組とか歌番組と言われるものは増やしておりません。
ただ、確かに若い世代向けの番組をどうやって作ればいいのかというのは非常に難しい問題で、日夜試行錯誤しているというところなんですけれども、基本は、今おっしゃったような表面的なおかしさとか笑いを追い求めるというそういう番組ではなくて、やっぱり若い世代に役立つ情報とか心を豊かにする番組とか、そういうものを中心に我々は放送していかなきゃいけないというふうに思っております。
今も、多様な分野で活躍する人々の姿を紹介する番組、それからキャリア教育に資するような番組とか、それから、今、特に若い世代、インターネットをたくさん使っていらっしゃいますけれども、インターネットのリテラシーに資する番組、その他そういうNHKらしい番組を追求していきたいというふうに思っております。
先ほども申し上げましたけど、若い世代の接触者をどうやって広げていくかというのは非常に私どもも大きな課題として受け止めております。放送だけではなくて、今申し上げたようなインターネットとかそういうものを活用して、なるたけNHKならではの番組、それからサービスというものをこれからどんどん開発していきたいというふうに考えております。
○加藤敏幸 是非よろしくお願いしたいし、私どももここは高い関心を持ってやっていきたいというふうに思います。
三点目は、子会社との関係といいましょうか、NHKのいわゆるグループ経営ということについてお尋ねをしたいと思います。
民間の例えば製造業だとかサービス業がいろいろと子会社化していくだとか、そういうふうにグループ経営をどう展開するかというのはなかなかいろいろと理論もあって現実もあって、非常に工夫をされているし、非常に成果が上がったり苦労したりということなんですけれども、NHKさん自身がグループ経営として何がポイントなんだと。
これはいろいろ本音を言えばあると思うんですよね。やっぱり責任の遮断だとか、あるいは車付き、個室付き、秘書付きの人のポストを増やす方法論だとか、厳密には、そういうことから子会社化をやる、そういう動機もあると思うんです。純粋に言えば、やっぱり労働問題だとか、言わば正社員でない人たちをつくっていくだとか、そういう労働法制への対応としての子会社化だとか、これは水平的にやるとか垂直にやるとかいろいろ方法論があるんですけれども、NHKさんが子会社化をし、グループ化をやっていくということの真の動機というなり、何がメルクマールであり、何のためにそれをやっていくのかということを是非端的に何かお答えをいただきたいと。普通の利益を追求する株式会社ということの原理ではないと思うんですよ。そこはどうなんでしょうか。
○福地茂雄 日本放送協会会長 これは書いたものを用意せずにお答えをさせていただきたいと思いますが、実は、前職からNHKに参りましていろんなところで違うということはありましたけれども、グループ経営に対する考え方でございます。
今、いろんな競争社会の中で、今までは個別企業と個別企業の競争でございましたけれども、今はグループ対グループの競争、いろんな産業別に見ましてそうなってまいりました。場合によってはもう産業分野と産業分野の競争になってまいりました。
そういった点からNHKグループを見てまいりますと、NHKの各グループはNHKの機能を切り出しております。例えば、教育テレビについてはエデュケーショナルが担当するとか、いろんな装飾についてはNHKアートが担当するとか、そういった機能切り出しになっています。
そういった中で、NHKこそまさに関連企業を含むグループとしての活動をしていかないと、これから先のいろんなメディアの競争、いい意味の競争ですけれども、品質競争もそうですが、耐えていけないという事態だと私は思ってまいりました。
しかし、この決算発表もそうでございますけれども、今民間企業では決算発表といったら連結で発表するのが当然でございますが、決算発表にしてもNHK単体でございまして、まだそういったところまで至っておりません。しかし、これは、そういった連結、グループとして考えていかなければいけないという面で見てみますと、企業関連団体ごとにまだ経理のシステムが統一されていない、いろんな問題がございます。
それから、こういった効率化の問題だけじゃなくて、連結で物を見ていくグループ経営というのは、人材育成もそうでございますし、研修もそうでございますし、人事の問題もそうでございます。人事も、よくNHKのことを天下りという見方もありますけど、私はそうじゃなくてトータルの人事と思っておりますし、子会社に出ていった人が戻ってきて理事になった、今日も本人が来ておりますが、そういった例もございます。
そういったトータル、もう人事から研修から金融から放送を作る作業から、すべてをグループとして力を発揮していくというのが私は今NHKに求められている、それを今着実に実行しようとして取り組んでおるところでございますし、連結決算につきましても、曲がりなりながら発表できる状態になってまいりました。早急にそういった体制をつくり上げていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
○加藤敏幸 ありがとうございます。こういう感じで議論ができればと思っておりまして、今会長がいみじくもおっしゃられました、やっぱりグループ全体としての視点を大切に。
グループ経営がはやったといいましょうか、非常に広まっていったときの一つの動機にコスト主義というのがございました。特にこれは、製造業においては、外国との競争において特に人件費を含めた競争力を高める、コスト主義においての子会社化という経営の手法を取ってきたこともあるんです。
ただ、今はそのことを追求すると同時に、例えばNHKさんが持っている基本的な競争力、付加価値の源泉はどこにあるんだと。売りに出したときに、お客さんが、世界の放送事業者がNHKを買うときの値付けのときに、いや、ここだけは銭を出すけれどもこれ以外は要りませんと、大体重役陣は皆要らないとなりますけれども、その一番売れる、競争力を持っているのはどこなんですか。どこが付加価値を生み出しているのかということの分析をしっかりした上で、ただ、それを本体に残した方がいいのか、やっぱり多少自由闊達にしていただくという意味で子会社という形がいいのかというのはこれは経営の判断ですけれども、常にお値打ちはここなんだと、それがやっぱり今の時代の一番大事な視点ではないかということで、ただ形式的に形としてのグループ経営であり決算ということでは、決算委員会の議論としては不足ではないかと、このことを申し上げたいと思います。
最後に、そういうことの関連の上で、労使の協議ということについて少し御意見を伺いたいです。
私は民間の労働組合でいろいろと仕事をしてきました。まあ同じ組合といっても千差万別、育ちも活動も構成、いろいろこれはあるんです。それをいいの悪いの言っても、これは人様のことをとやかく言うことでは意味がありません。
問題は、NHKさんの場合は、特にコンプライアンスと言われている法律との関係、あるいは遵法精神とか、あるいは世の中の規範、規律を更に大切に一歩進んで守っていくとか、こういう姿勢が非常に大事であり、そして職場の隅々まである種の清潔性が求められていると。
これ、いいとか悪いじゃなくて、私どももそういう同じような立場にあって、そこは厳しく自らを律していかなきゃいけないというときに、労使がある程度厳しく、社長には言いにくいよな、会長には言いにくいよな、常務はちょっと遠いよなという状況ではなくて、そういうことを率直に、おかしいところはおかしいよと、そういうようなことをどんどんお互いに言い合う。だから、組合に対しても、委員長何やっているんだと、余りやると問題ですけれども、そういうふうな率直な関係をつくらないと、なかなかNHKという事業をきちっと運営していくことは難しいという意味で申し上げているんです。
ただ、行き過ぎると、何とか天皇ができたとか週刊誌に書かれたりいろいろありますから、そこは非常にお互いに気を付けながらも、やっぱり労使関係というものをどう的確に活用していくかということも大きな課題だと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○福地茂雄 日本放送協会会長 今日のNHKの改革というのは労働組合の協力なくして私は実現できないと、そういうふうに思っております。したがいまして、これまでも、これまでと申し上げましても1年半でございますが、単なる労働条件の問題じゃなくて、例えば今度の三か年の中期計画の策定につきましても、かなりの回数を労働組合との意見徴収にも費やしました。そういった中で、これまでもそうですし、これから先もそういった対話は続けていきたいと。
私自身もその場に出ておりますし、それから、労働組合の本部間の交渉じゃなくて、やはり労働組合の母体は現場でございますので、私も、これで1年半でございますけれども、全国54放送局のうち50放送局を全部回りました。少なくとも一放送局で1時間半以上、数十人の職員と話し合う中でそういった現場の声をくみ上げる、そして労働組合と一緒にこのNHKの改革を進めていく、そういった気持ちと行動で取り組んでおるつもりでございます。
以上でございます。
○加藤敏幸 決算における討論でございますので、そういった会長の考え方、お気持ち、決意を受け止めさせていただきまして、若干余りましたけれども、質問は終わりたいと思います。
ありがとうございました。


