政策レポート

2003年5月 1日

技は力にあり

今回は「技は力にあり」についてです。これは柔道の言葉ですが、柔道のみならずスポーツの世界に通用すると思います。意味は簡単です。「技は背景となる力がなければ発揮できない」ということで、貧弱な身体能力ではどんなに技を磨いても駄目で、そんな暇があるなら基礎体力を養いなさいということです。初めてこの言葉を教えられたとき、それこそ「目からうろこが落ちる」思いがしました。 初心者は一日も早く技を習いたがります。技を知ることが強くなる早道だと考えますが、ベテランは技より基礎体力、身体能力が大事なことを熟知しています。力のない者がかける技などたいしたことがないのです。
職業能力も同じです。基礎学力である読み書きそろばんが十分できた上で、専門知識をため込まなくてはなりません。英語は文法ができても単語を知らなければ役に立ちません。ロジック(論理)だけでは駄目で、経験知識の豊富さが要求されます。
企業も同じです。戦術・戦略は技です。力なき者の戦術・戦略論議はみじめです。企業にとって力とは何でしょうか。よく話題になる財務体力はたぶん基礎体力でしょう。技術力や組織力は身体能力でしょうか。外部環境の変化や時代の流れを感じ取る感受性は情報力であり、必要に応じ体系を変えられる柔軟性は適応力だと思います。
いずれにせよ企業としての総合力を高めることが先決であり、その力のレベルに応じて戦略・戦術が選択されるのが自然の理だと思います。

──加藤としゆき