2002年11月 1日
デフレ不況退治が最優先
「ITバブルの崩壊」や「デフレ不況」からなかなか抜け出せない日々が続いています。戦後何回か不況に見まわれましたが、2000年の秋口から始まった今回の不況には従来にない「いやらしさ」があるように感じられます。景気循環が原因であれば、しばらく我慢すればよいのですが、我慢するだけではどうにもならない状況です。
特にデフレは厄介です。今日より明日のほうが、物価が下がるのですから、物が売れなくて当然です。物が売れないことに加えて値段が下がるわけですから、営業は大幅減収となります。減収の場合は、支出が減収以上に減らないと差し引き赤字となります。今日多くの企業は「大幅減収病」に罹っており、どうやって支出を減らすのか、腐心していると言えます。そこでリストラと称して人員削減などに取り組んでいるわけですが、生産量との関係や品質、技術・技能の維持などさまざまな点で問題も発生してきます。
リストラにも限界があるのです。問題は「デフレ不況」や「ITバブルの崩壊」の原因が必ずしも明確ではなく、対策についても不明であることです。「ITバブル」の原因は、IT産業への過度な期待、過剰な先行投資、米国でのドットコム投資への沸騰や欧州各国の通信行政の失敗(法外な免許料金)などに加えて、企業競争が地球規模に拡大し、大勝か大負け(オールオアナッシング)の様相を帯びたことなど考えられますが、神様から見れば要するに作り過ぎ・やり過ぎということです。
一方、デフレの原因は複雑です。上がり過ぎた土地の価格が十何年かけて下がり続けています。土地資産デフレです。またグローバル化の結果、生産財や消費財の価格も下がっております。半導体などは物量としては年々生産性が向上しますから、国内的にも価格下落が起りやすいと言えます。このような物価下落によるデフレに加え、国の財政不安や将来経済への自信喪失また長期的な人口減少など、山のようにマイナス要因が挙げられます。悲観が悲観を呼んでいるのでしょう。
このような状況では、国を挙げて集中的強力な対策を打つことしかないと思います。最終的にはおそらくインフレ政策を選択することになるでしょう。
それまでは底無し沼のデフレに苦しむことになり、トドのつまりは賃金デフレです。賃金デフレはさらなる消費不振と物価下落を促進します。コストとしての賃金調整は各社とも相当進んでおり、来年が最終局面と言えます。賃金調整と賃金デフレは似て非なるもの、賃金デフレはハルマゲドンです。大変心配です。心は「小泉さん早く分かって!」ということです。
──加藤としゆき
